「共感回復」 (みらい社・小川 陽)

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「法人からのお知らせ」5月5日付けの記事に記載したとおり、法人やご家族会の理解、同僚の協力を得て、5月9日から6月4日までの間に1週間ずつ計2週間、宮城県へ被災地支援に行ってまいりました。

宮城県からの派遣要請を受け、石巻市、東松島市、女川町の障害保健福祉圏域を対象に、神奈川、埼玉、北海道を含めた全国7道県から派遣された相談支援専門員がチームを組み、1週間毎に現地支援に入っているのです。

 現地では、地元行政、相談支援事業所と協働し、在宅障がい児者の安否確認やニーズ把握を当面の作業目標とし、避難所や個別訪問を行いました。避難所や個別訪問を廻り、多くの方の話を聞きながら、どう言葉をかけるべきか思案し、苦慮した2週間。

 現地で「共感疲労」という言葉を耳にしました。被災者の話に共感するあまり、支援者が過度に心をすり減らしてしまう状態を指すそうです。4月の時はこれに似た状態に陥りそうになりました。圧倒的なボリュームで眼前に広がる悲惨な被災地の情景や被災者の話は、心的圧迫となって派遣チームを襲ったのです。

 その後チームで確認したことは「元気と笑顔を届けることも一つの役割」だということ。みなでアイデアを出し、現地支援者を招いてのささやかな宴会を開きました。支援者の多くが被災者であることから、職場内でも個人的な不安等の心情を吐露できず、ため込んでいる人が多いと聞いたからです。宴会は少しだけ効果があったようでした。

この経験から、今回の派遣の際も思い切って提案してみました。写真を見てください、これまた少し効果があったように思います。

話を聞くなら「共感疲労」でなく「共感回復」(造語です)ができるように。

まだ続く厳しい現実を越えていくには「元気」が必要なのですから(「元気があれば何でもできる」とまでは言いませんが、元気や笑顔は大切だと思います)。

 ※決して宴会ばかりしてきた訳ではありません。念のため。

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