青い鳥を探して(20) (事務局・増田 達也)
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2ケ月前の続きで、「筋膜炎脂肪織炎症候群」「皮膚筋炎」という難病の大野さんが書かれた『困ってるひと』、『さらさらさん』という著書を読んだ感想です。

 

大野さんは、人の助けを得るのに、相手の都合、時には相手にとって迷惑?に突き当たられて葛藤される様子が垣間見られ、次のように書かれています。

 

病というのは一つの不条理だと思うのですが・・・、

不条理に直面すると、人はつい愛情や友情に心情的な救いを求めてしまいがちですが、

でも、そこに自分の生の営みそのものを預けると、関係性そのものが崩れていく・・・

 (『さらさらさん』より)

先生もサイババではなく人間であるので、その時々の機嫌や事情というものがある。

先生が激務の中でいろんなことを忘れたり誤解したりするリスクを計算に入れて、

備えておかなくてはならない。

要は、お互いさまなのである。何でも相手の立場になって、考えてみなくては。

 (『困っている人』より)

 

「要は、お互いさまなのである。何でも相手の立場になって、考えてみなくては」・・・よく耳にする言葉ですが、大野さんの想いに、本物の深さと説得力を感じました。愛情や友情、心情だけでは限界があるので、社会的制度の充実も欠かせないのだと思いますが、著書の中では、大野さんの話しに何時間でも耳を傾け、大野さんに「なんか、一緒にいると、安心する」と仰る男性との、爽やかな恋愛、心情の素晴らしさについても書かれています。

 

恋したんだ!

というよりも、絶望的な状況で誰にとっても迷惑でしかない私が、

「これ以上生きている意味があるんだろうか」と思っていた。

でも彼は、「いてくれた方が良いんだけど」と言ってくれたんです。 

よっしゃ、スイッチが入ったぜ!                       (『さらさらさん』より)

 

「なんか、一緒にいると、安心する」、「いてくれた方が良いんだけど」・・・、押しつけがましさがなく、さりげなく相手を想う、何て素敵な言葉なんだろう・・・、また、「よっしゃ、スイッチが入ったぜ!」も、何てストレートで力強い言葉なんだろう・・・と思いました。

福祉や医療の社会的制度も、「心」を込めなければ、分かりやすく、使いやすいものにはならないのだろう・・・、想像力を働かせて他者の苦しみに寄り添いたいと思いつつも、物理的、時には精神的に受入れ難いこともありますが、「共生」「共感」の中にこそ、相手も自分も生かす真の「幸せ」があるのだろう・・・と思いました。

 

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