五島列島の旅 ② (湘南セシリア・みらい社 植村  裕)

2015/11/10施設長日記(http://www.f-ikusei.or.jp/archive/leader/2015/11/post-197.html)からの続き

初日は最後に福江の街を散策してからホテルに着き、無事一日を終えることができた。翌日、福江から映画「悪人」のロケ地となった大瀬崎断崖に向かった。展望台から眺めると断崖の先端に大瀬崎灯台が見える。断崖絶壁は100150mの高さがあり、なかなかの絶景である。どこまでも続く海と断崖の景色を堪能し、井持教会に向け出発した。井持教会は1987年煉瓦造教会堂が台風で倒壊し、翌年コンクリート造の現況教会が建てられた。また、フランスの聖母出現のあったルルドを模し、1899年日本で初めてのルルドが建設され、日本全国からの巡礼者が後を絶たないという。

次は白い砂浜と青い海の美しい海岸を抜け三井楽で昼食をとり、福江港に向かった。福江港から海上タクシーでキリシタン洞窟クルージングをしながら若松島の若松港を目指すのだ。海上タクシーはかなり年期の入った船でエンジン音がうるさいのでガイドさんは大声で説明してくれた。しかし波は穏やかで揺れは少なく幸いであった。海上の島々の景色を楽しんでいるうちに旧五輪教会堂のある久我島に到着した。この教会堂は1881年建立の旧浜脇教会堂が1931年の建替えのとき、五輪地区に移築された。この旧教会堂が老朽化で解体される寸前、島内の仏教徒の助言によって価値が再確認され、文化財として保存されたそうである建物は歴史を感じさせる佇まいで、当時の状況に思いを馳せてみた。久我島を船で出発し、やがて目的のキリシタン洞窟に到着した。明治初期のキリシタン弾圧の厳しい当時、迫害を逃れ3組の家族が草も生えない岩場に隠れ住んでいたが、煮炊きの煙で発見され拷問を受けたという。よくこのような場所でよく生活できたものだと驚嘆し、信仰を守り抜く人々の思いに胸を打たれた。ここにも壮絶な迫害と悲しい歴史があった。後に信徒たちの鎮魂のため洞窟の入口に十字架とキリスト像が建てられた。

若松港に着くと観光バスが待っていて、青砂ヶ浦教会に向かう。青砂ヶ浦の小高い丘に建つ教会は赤い煉瓦の外壁と瓦葺の屋根の重層構造になっている。また、白いマリア像と大天使聖ミカエル像が美しく印象的だった。これで今日の行程を終え、美しい海の夕焼けに見惚れながら2日目の宿のある小串郷に向かった。      

次号に続く

①大瀬崎断崖

①大瀬崎断崖.jpg

②井持教会

②井持教会.jpg③井持教会ルルド

③井持教会ルルド.jpg④旧五輪教会

④旧五輪教会.jpg⑤旧五輪教会お御堂

⑤旧五輪教会お御堂.jpg⑥キリシタン洞窟

⑥キリシタン洞窟.jpg⑦マリア像に見える洞穴

⑦マリア像に見える洞穴.jpg⑧青砂ヶ浦教会

⑧青砂ヶ浦教会.jpg⑨青砂ヶ浦教会マリア像

⑨青砂ヶ浦教会マリア像.jpg⑩青砂ヶ浦教会大天使ミカエル像

⑩青砂ヶ浦教会大天使ミカエル像.jpg⑪小串郷の夕日

⑪小串郷の夕日.jpg

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