青い鳥を探して(31) (事務局・増田 達也)

昨年、高校の同窓会で15年振りにあった友人から、奥様が車椅子生活になったと聞き、心が痛みました。

でも、家をバリアフリーに改修し、2人の娘さんと一緒に奥様のサポートを始めてから、「家族の絆が一層強まり、今が一番幸せや!」と聞き、言葉だけでなく、表情からも幸せな様子が伝わってきて、心が温かくなりました。

 

私は、京都で両親と暮らしている障がい者の妹がいますが、この友人のような心境には程遠いです。

妹は、自分の思い通りにならないと大声で泣き叫ぶので、家の中ならまだしも街中でもいつスイッチが入るか分からないため、安心して外出が出来ない状態です。ただ、車が好きなので、日中ドライブしている時は穏やかにしていますし、「菓楽里(からくり)」(新町今出川を南に150m行った東側)という中学時代の友人のケーキ店には、よく寄らせてもらっています。

でも、昨年、この店に行った時、飾ってあった小さなバッグを欲しいと言い出し、「これは売り物ちゃうから、あかん!」と言ったら、「欲しいんや!」と大声で泣き叫び出したので、すぐに店を出て、妹を車に押し込み、店に戻って友人に謝り、勘定を済ませて帰りました。

最初は「またか!?」という暗澹たる気持ちでしたが、「あかん!」と言った時、泣きながらもバッグを元に戻しましたし、長い時は1時間以上泣き叫びますが、この時は5分位で泣き止みました。また、「もう、菓楽里には連れて行かへんからな!」と言った時も神妙にしていたので、「少しきつく言いすぎたかな~」と複雑な心境になりました。

友人は、店の帰り心配して車まで見送ってくれましたし、翌日改めてお詫びのメールをしたら、「全く気にしていませんよ。ゆかりちゃんはうちの店に来るのを楽しみにしているんだから、いつでもどうぞいらして下さいね」という優しい返信をもらいました。

 

職場では、利用者と一緒に臆することなく外に出るべき、と思いつつ、身内のこととなると、おっくうになったり感情的になったりして妹の行動範囲を狭めてしまっていますが、この友人夫妻のような優しさに支えられていることを改めて実感しました。

 

高校時代の友人、中学時代の友人の優しさを見習わなければ・・・と思った出来事でした。

 

からくり1.jpgのサムネール画像

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