7つの取り組み

「よし介工芸館」 支援員 仁加保 麻衣子

創る

図書館で一冊の本を手に取ったことがきっかけでした

美術系の大学を卒業し、入社した写真用品店は、楽しくやりがいもあり5年ほど勤めましたが、経営難からこの業界で長く勤めるのは難しいのかもしれない・・・と考えていた時に、ふと図書館で1冊の本を手に取りました。知的障がいの方を支援している方が書いた本で、利用者さんの素直な感性や表現力が文章から伝わってきて、とても温かい気持ちになり、この世界に飛び込んでみたいと思い、藤沢育成会に入職しました。最初に配属された入所施設での生活は、本の世界そのままでした。利用者さんから信頼されていることを実感し、人としての目には見えないものの大切さを学びました。最初は意思疎通がうまくとれませんでしたが、人間同士腹を割って話し、真摯に向き合ううちに、わかりあえる瞬間に出会える喜びは、他では絶対得られません。

利用者さんの迷いのない筆遣いを尊敬しています

 わたしは、モノを創ったり、絵を描いたりすることが好きです。利用者さんの創作の時の集中し楽しそうな姿に、感動し尊敬します。利用者さんの迷いのない筆先の使い方や表現の豊かさに心が響きます。

 "福祉=介助の仕事"というイメージがありますが、実際はその人を尊重し、自力でやりたいという気持ちを見守る仕事だと思います。利用者さんの気持ちを受け止め、寄り添うことが、自信につながり、利用者さんの可能性を引き出します。

自分自身の価値観や物差しで、人を判断しないことを大切にしています

よし介工芸館は、日中活動を支える場所で、利用者さんのご自宅への送迎や軽作業・創作活動のサポートをしています。利用者さんは、目標を持って活動されていて、半期ごとに目標の振り返りをして、頑張っていることをお伝えしながら、新しい目標を一緒に考え活動しています。

利用者さんの個々の「いま」の思いや行動をまず受け止めることを大切にしています。言動に疑問が生じたときは、「どうしてこの行動をしたのかな?」「本当は何をしたかったんだろう」と利用者さんの行動の前後や生育歴も含めて、原因を考えるようにしています。また、自分自身の価値観や物差しで、人を判断しないことを大切にしています。

学生時代に美術を学んできたので、利用者さんの姿にとても刺激を受けます

利用者さんひとりひとりの素直な感性に触れられること、創作活動中の姿を見ることが好きです。学生時代に美術を学んできたので、よし介の利用者さんが創作に夢中になっている姿は、とても刺激を受けます。自分は絵を学ぶ課程で、どのような表現をしたらいいのか、迷ったり自信がなくなる経験が多くありましたが、絵を描く本来の楽しさを利用者さんから教えていただいていると感じます。

また、意思疎通が難しい利用者さんと「どうコミュニケーションをとったらいいのかな?」と試行錯誤しながら向き合っていく過程で、心が通い合えたと思える瞬間があります。自分の支援が少し伝わったかなと嬉しい気持ちになる瞬間です。また、支援中に「ピクチャーカード」といって、写真やイラストを用いたカードを使用することがあるのですが、絵や写真の伝える力の強さも感じられます。

自分がまだ行ったことのない事業所を経験して、視野を広げていきたい

福祉のサービスや制度について、知識が少ないのでもっと勉強したり、パソコンをもっと便利に使えるようにできたらいいなと思います。目下の目標は、家庭と仕事を両立させながら、ワークライフバランスを整えていくことですが、藤沢育成会内でまだ行ったことのない就労移行支援や相談支援業務などを経験して、視野を広げていきたいです。ゆくゆくは総務や法人事務局のお仕事もしてみたいです。