日記
仕事の流儀
全国に「緊急事態宣言」が発出された中、街を歩いた。運動不足がたたって体重が増え、持病のコントロールが気がかりで、少しでも動きたい...と思った。細心の注意を払い、マスク着用だけではなく"3密(密接、密集、密着)"を避け、買い物はせずにひたすら歩く。北部は感染者が出た情報を得ていたので中部方面に向かった。当然だが、公共交通機関は使わず、駅にも近寄らないコースを選び1時間半。
歩き出して早々にいつもよりすれ違う人が少ないと気づく。遠くに見える駅(ホーム)に人影がない。法規制ではなくとも出歩かないことが一番だと徹底されている印象だ。
営業中の店舗は、入り口に"店舗内は5人以内とさせていただきます"や"営業時間は○○時まで"などさまざま。休業中の店舗は"5月6日まで臨時休業"が多いが"4月28日まで"と言うのもある。業務内容、サービス提供手法によって異なるのは当然だが、店主の事情や社会的役割の違いが反映されていることも印象的。
昨日、スーパーで買い物した時のレジでもソーシャル・ディスタンスが採用され、誰もが従っていた。レジカウンターの女性はマスクの上にフェイスシールド、レジの前には透明なビニールがあった。それでも、人間は食わなきゃ生きていけないんだよな...。
他にもさまざまに乗り切るための工夫をニュースで見る。終息後のレストラン予約は前払いで少しでも当月の売り上げを伸ばそうとしていた。軽食を子どもに100円で配る学校給食。ネット販売を始めた店舗等、今出来る工夫で努力する姿に"頑張れ!"と思う。
藤沢街道を湘南台に向かうと開店と閉店が混在。同じ業態でも普段と変わらない店と営業自粛に別れていた。それぞれの事情だが、気持ちとしては主体的に営業を自粛しているところを応援し、利用したくなる...。
今だからしなければならないことがある。便利な世の中ゆえ、お膳立てしてもらわなければどうしたらいいか分からない人たちが増えたようだ。結果だけを得るのではなく、創意工夫が求められているが、創意工夫などはどこかに消えてしまったのか...。
我が家近くで"本日のお弁当は完売しました!"の張り紙が目に入った。この居酒屋はこれまで昼の営業はない。出来たばかりで地域になじみがあるとも思えないが、お弁当を始めたんだ...と思った。お弁当がきっかけで,最近の風潮"家族で居酒屋"なんてことを狙っているかどうかは知らないが、今できること、今こそやらなければいけないことをしっかりと見極めた仕事が大事だと思いつつ"お弁当完売!"の張り紙を見た。
『自助論(P127:S・スマイルズ著、竹内均訳、三笠書房)』に仕事を効率よく運営する6項目があった。①注意力、②勤勉、③正確さ、④手際のよさ、⑤時間厳守、⑥迅速さだ。今、まさにこれが求められている。見慣れた街の店舗それぞれに仕事の流儀はあるが、社会が求めていることを注意深く見守り、その事態に迅速に対応し、手際よくやらなければタイムラグが価値を失わせる。そのためには、勤勉、正確さは欠かせない。(2020‐5②)