日記
"コロナ禍"の1年を振り返る
1月、中国で"ヒト×ヒト感染"が確認されるとあっという間に武漢は封鎖され、病院増設の映像が流れ続けた。国家権力による都市封鎖は衝撃的だった。当初他人事だった『新型コロナウイルス』がヨーロッパ中に広がるとすぐに世界を席巻、パンデミックが宣言されグローバル社会の新たな景色を見せつけた。それは島国・日本も見逃さなかった。
新年度スタート時に襲った感染拡大は全校休校、緊急事態宣言下で経済活動より感染予防が徹底された。"三密""ソーシャルディスタンス""エッセンシャルワーカー"など聞きなれない言葉が当たり前となり「新たな生活様式」が求められた。それでも衛生観念の強さやハグなどの生活習慣の違いが流行を抑える要素になると共に権力への従順さが救ったのかと思う面も見せた。このような中、エッセンシャルワーカーだという自覚の基、休止せず事業実施出来たのは法人に関わる全ての人たちの努力の賜物だった。もちろん、PCR検査等を受けた関係者はいたが、これまで"陽性者0"の結果は本当に幸いだ。
一方、法人としては少しでも前進しようと努めてきた。研修事業は等級別研修の定着、選択専門研修ではテーマ設定等で成果を見せ、昨年学んだマルトリートメントを土台に今年は当事者の意見を聞く研修等で成果を収めた。一方で"不適切な関り"があり藤沢市に報告の上対処した。起きてはいけないことだが、前向きに考えれば法人内で検証出来るようになった兆しを見た。また「リスクマネジメント」や「行動指針」の見直しなどを積み重ねることで"支援"の細部を検証し新たな方向を模索した。
また、時代にあった事業展開、事業見直しや収支の検証等を事業所、事業単位で行った。障害福祉は、以前と変わらない運営が多く、次代の要請に応じきれていない。これを検証し法人の将来を展望するためには多角的な議論が必要である。それは「法人全体研修」や「各種プロジェクト」で実施した。中心に『ネクストプランⅡ』を置きつつこれにとらわれない自由で闊達な展開を求めたが、新たな発信には至っていない。次年度は『ネクストプランⅡ』最終年であり、次の計画策定の中で更なる展開を模索できる手法が求められる。
また、プランを現実のものにするためにはふさわしい環境作りが必要となる。それは①支援の質の向上、②財政基盤の安定、③法人の体質改善等である。もちろん、研修事業やリスクマネジメントの検証、行動指針の見直しなどから生み出せるものもあるが、利用者に選ばれる事業展開、時代の先を行く未来型新規事業、そして行政等とのコラボレーションによる新たな取り組みが求められる。さらに質を高めることが未来を創り出すと考え、"コロナ禍"にあっても少しずつ前に進めたのが今年だった。
新型コロナウイルスは、社会を一変させ今も感染者数は落ち着いていない。しかも、決定的な治療薬がなく、ワクチンの普及には時間がかかるだろう。だが、東京五輪は確実に開催すると報道され、入場制限を撤廃した影響の実験もした。まだまだと言いながら確実に終息の道を歩んでいるようだ。そうであれば、コロナ禍後の暮らしがどうなるか、その時、障害福祉サービスはどう変化するかを考慮し、近未来を見据えた準備が必要だ。何故なら、私たちは利用者、家族に良質なサービスを提供する義務があるから。(2020.12)