日記
「気概」
「気概」を辞書で引くと、「困難に屈しない強い意志」とあります。
先日、今ではあまり聞かれなくなったこの言葉に、下記のような解釈をしている文章を見つけました。
気概とは「尊厳を認めてほしいという切なる願いをあらわす人間の状態のこと」(フランシス・フクヤマ)
困難な時だけでなく、自己の尊厳が貶められた時に発揮されるという意味でこの言葉の意味を考え直してみるといろいろな思いが湧き上がって来ます。
なぜ、この解釈に惹かれたかというと、能登半島地震で被災した人々のためにボランティア活動をおこなっている方の姿を報道で見たからだと言うことに気づきました。こう言う人々は何に突き動かされて自ら進んで、決して楽とは言えない困難な行動をとるのだろうかと言う思いです。お金のためでないことは確かです。感謝の言葉が欲しいためでもないでしょう。
さらには国際的には国境のない医師団や国際NGOの活動などで自分の命をも顧みないで活動をしている人々を見ると、この人たちをこう言う行動に駆っているものは何なのか深く考えざるを得ませんでした。
こう言う行動を意味する言葉として思いつくのに「高邁な精神」というのがあります。ただ、多分翻訳語なのでしょう、古くからある日本の言葉ではないような気がします。古くから使われてきた日本語としては慈悲や奉仕がそうなのかも知れません。
こうした「自己の尊厳」ではなく「他人の尊厳」のために果敢に行動を起こす人々を表現するのには現代に通じる何か良い日本語の表現はないものでしょうか。
以上