日記
プレーヤーとマネージャー(湘南セシリア 佐藤貢)
先日、ラグビーワールドカップ日本大会が大盛況の中、幕を閉じました。こんなに日本にラグビーファンがいたのかとびっくりしましたが、私も流行に乗り遅れないようにちょっとだけ話題に触れてみます。
4年前、日本代表はエディー・ジョーンズHCのもと"JAPAN WAY"を合言葉に戦いました。日本人の気質(生真面目、勤勉、忠誠心、忍耐強さ等)に合わせた日本人らしいラグビーをするために「決められたルールを忠実に守る」「どんな状況でも誰もが規律どおりに動く」という特徴を持つチームが作られました。このようなチームを作るためにプレーヤーには統率力、忍耐力、統一性、正確性などが求められたのではないかと思います。一方、マネージャー(この場合にはコーチングスタッフですが)には「規律を忠実に守ることへの厳格性」とそれを必ず守らせることを強いるわけですから「結果への責任」が求められるのだと思います。
一方今回のジェイミー・ジョセフHCは"ONE TEAM"を合言葉にチーム作りを行いました。まさに以心伝心。プレーヤー同士が何を考え、何をしようとしているのかをとことん話し合い、まさに「一つになるために考えられることならなんでも試みた」と何かで読みました。このようなチームを作るためには表現力、順応性、応用力、修正力などが必要だったのではないかと想像します。また、マネージャーには「結論が出るまで待つ忍耐力」「独創性を認める寛容性」などが求められるのだと思います。
どちらが優れているのかではなく、一度合言葉(方針)が決まったらそれを信じてぶれずにプレーヤーもマネージャーも一体になって任務を遂行することが重要だと思います。うまくいかないときは考えもぶれますね。代表チームだって何度もぶれそうになったことだと思います。そんな時立ち返らなければならない場所が"合言葉"です。
あえて書かなかった信頼性、協調性、積極性、ぶれない強い意志はどんなチームを作るにしても重要な要素になると思います。そしてプレーヤーとマネージャーの関係はその作品を作る共同制作者なんですね。そして何よりも必要なのはチーム愛です。
エディーもジェイミーも選手たちにとっては最高のパートナーだったんだなと思います。
最後に私が今回のワールドカップで一番印象に残っているのはニュージーランドとの試合前に見せたイングランドのオーウェン・ファレル主将の不敵な笑いです。まさにエディー(現イングランドHC)の想いがそのまま、あの表情に表れていると感じ「カッコいい」と鳥肌が立ちました(ちょっとマニアックですかね)。
(画像)大盛況だったみなとみらいのファンゾーン
この記事を書いた人
学生時代からアメフト一筋、引退後もコーチングを学び、高校や大学で指導者として携わった経験をもつ。一見強面(自称:甘いマスク)だが、実は人情味にあふれて涙もろく、ディズニーランドと浜田省吾がないと生きていけない体質。