日記
第53回『言葉はコミュニケーションにとって万能の道具か?』
湘南あおぞら
孫引きになるが、生物学者のマーク・パーゲルによれば「世界中で最も多くの言語を抱える地域は、人口密度の高い地域」と言うことである。
「パプアニューギニアに行くと、一つの島の中で八〇〇から一〇〇〇という数の異なる自然言語を見つけることができます。~中略~どうやら言語の使用目的は、協力だけにとどまらず、集団の輪を作り出したり、アイデンティティの確立と自分たちの情報・知枝・技術の盗用保護をしたりと多岐にわたります。」とも言っている。
人口密度が高くなると言語の数が増えるというのは、単一言語圏に暮らす我々にとっては矛盾することのように感じる。どうやら言葉というものは情報の伝達に役立っているだけではないと言うことがわかる。
外国人と仲良くなりたいと思ってその国の言葉を学ぶ気持ちと、一つの共同体(集団)が形成されると逆に村八分と言う排除の論理が働いて、そこから言葉が細分化するように働くと言うのは、よく考えてみれば言語の方には罪はなくて人の心の方に問題があるのだろう。
そう言えば、専門用語や業界用語というのもその特定の業種でしか通じないし、若者の言葉などは今の私には聞いていてもさっぱりわからない。言葉はコミュニケーションを良くする手段だけに使われるのではなくそれを阻害する働きもあると言うことらしい。
人間というものが、相当、厄介な生き物に思えて来た。
この記事を書いた人
倉重 達也
法人職員NO.1を誇る高身長。スラっとした紳士です。その長い足を過信してしまい、フェンスをまたぎきれずに転倒し腕を骨折してしまうという、おっちょこちょいな一面も…?!入居者のよき卓球相手でもあります。チャレンジ求む!