日記
「バレンティーノロッシ」(相談支援プラザ / 所長 伏見康一)
最近、仕事でバイクに乗るようになった。駐車や渋滞の難を避けられるので重宝している。
実はこれまでバイク運転はしたことがなかった。専用免許もないので乗れるのはバイクといっても原付のみ。そんな私だが、バイクレースを見るのは昔から好きだった。
今から30年くらい前、日本人ライダーが世界を席巻し、活躍する姿を見ていた。だがその並居る日本人ライダー達を颯爽と追い抜く怪童が現れた。その怪童の名はバレンティーノロッシ。現在「生きる伝説」と称されるロッシだが、10代で登場するやその速さと強さは突出しており憎らしいほど強い存在だった。瞬く間に世界チャンピオンとなり、絶対王者として君臨し続けた。
ロッシは「ノリック」ファンを高言していた。「ノリック」とはライダー故阿部典史の通称である。日本人ライダーの中でも唯一無二な存在だったノリックだが突然に夭逝してしまう。ノリックの死後ロッシは自車に「ロッシふみ」(ロッシ+のりふみ)と記しノリックのスプリットを継承したのだった。「憎き存在」から「尊ぶ存在」に、いつの間にか自分の想いもロッシに投影していた。
そのロッシが今年で引退することとなった。ここ数年の実績からすると避けられない現実かもしれない。飛びぬけてベテラン層であることに加え、若手の台頭、度重なるルール改訂、ダメ押しはコロナ禍のレース事情だった。ただ底抜けにバイクを愛し、常に闘争心ある雄姿が見られなくなるのは寂しい。残りあと数レースをしっかりと見届けたい。
私が出来ることは安全運転に徹し、どなたにも迷惑をかけないこと。バイクという存在に感謝をしながらグリップを握りたいと思っている。
*写真はトップ3(当時)と後方に写り込む拙姿。
この記事を書いた人
休みの日には、得意な手料理を家族にふるまう、グルメなお父さん。70年代のマニアックなロックに詳しく、その知識には他の追随を許さない。シュールな冗談と利用者の笑顔が大好物。