日記

『父権主義からの脱却を・・・』( サービスセンターぱる・湘南ジョイフル / 副所長 宗像 喜孝 )

サービスセンターぱる
湘南ジョイフル

ここ数年大好きな秋が短くなっているようで、残念に感じることが多い。数十年後には、四季を感じることができる日本人が少なくなっているかもしれない。息子や娘が一緒に外出をしてくれる今のうちに、子どもたちに日本の四季の良さを伝えていきたいと思う。

さて、920日発刊の福祉新聞にて、『国連の障害者権利委員会が日本に対する初の勧告として、障害児・者の施設収容廃止(脱施設化)を求め、地域で他の人と対等に生活するための支援に予算配分を求めた』という記事があった。見出しには「父権主義からの脱却を・・・」とある。勧告の中では『「グループホームを含む特定の生活様式に住むことを義務付けられないように」と念を押した』とも書いてあった。父権主義とは、パターナリズムの日本語訳として用いられ、意味としては、強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益のためだとして、本人の意志は問わずに介入・干渉・支援することをいう。福祉に携わっている人でさえ、「父権主義」の活字だけ見て、パターナリズムの意味と解釈するのは難しいのではないか。あらためて、異国の概念を日本語訳することの難しさを感じる。

記事の中では、国連の障害者権利委員会は、グループホームを脱施設化の対象施設として認識しているのが分かる。直近の津久井やまゆり園の再整備の動きや今の日本の福祉サービスの制度設計をみると、日本は上記の世界基準とは程遠いと感じることが多い。今年度、法人の3つの重点項目の中の1つの取り組みとして「日常を"社会的スケール"で見つめ直す」をテーマに取り組んでいる。個人的には、"社会的スケール"とはもちろん日本国内の概念だけではなく、世界的なスケールとも密接に関連していると捉えている。こういった機会を捉えて、世界の福祉の動向を注視することも大切であると感じる。

以前の日記にも書いたことがあったが、藤沢育成会への就職が決まり、入所施設に配属されたことを当時の大学のゼミの恩師に伝えた際、「今後、日本の入所施設は解体されるから、貴重な経験だと思って頑張りなさい」と背中を押してくれたことを思い出す。

(写真)3年ぶりの家族旅行で、栃木県の東武ワールドスクウェアへ。学生の頃のように、いつの日かまた本物のサグラダファミリアを見にスペインへ行きたい・・・。

この記事を書いた人

宗像 喜孝

今でも面影残る高校球児。第二の故郷、屋久島のアウトドアで鍛えられた鋼の肉体。育成会随一の「しゅっとした人」。地元ベイスターズの運営に関しては、辛口の批評家でもある。そして何より、愛妻家。