日記

『障害者虐待・権利擁護研修を受講して』 (サービスセンターぱる・湘南ジョイフル 副所長/宗像 喜孝)

サービスセンターぱる
湘南ジョイフル

 新年を迎え、約1か月が経った。サービスセンターぱるではGH部署において、昨年末から1月の中旬まで、新型コロナ陽性者の対応を継続しており、年末年始という1年の区切りをそれほど感じられないまま新年を迎えたような気がする。あらためて、年末年始もなく、陽性者の対応に尽力してくれた職員に感謝を伝えたい。いわゆる「第8派」の感染流行の終息の目途が立っていない状況の中での、先日の首相の「新型コロナ5類に移行」の報道は、現場感覚としては前向きに聞き入れることが出来ない。重篤な症状を対応することは減少してきたが、依然として健康リスクの高い利用者への配慮は変わらず、引き続き、日々の体調管理、手洗い、手指消毒等の基本的な感染症対策を継続し、コロナの終息を迎えたい。

 さて、昨年末より「令和4年度神奈川県障害者虐待防止・権利擁護研修(障害者福祉施設等設置者・管理者コース)」を受講した。研修は、県内の市町村や障害者福祉施設等における障害者虐待防止や権利擁護の推進に寄与する人材を養成することを目的としている。また、①市町村等の障害者虐待防止担当職員、②県内の障害者福祉施設及び障害福祉サービス事業所の設置者・管理者、③県内の障害者福祉施設及び障害福祉サービス事業所の虐待防止マネージャー等、と受講対象別に3つのコースに分かれた内容になっている。研修の全てがこのご時世に対応したオンラインの研修になっており、10時間以上のオンライン講義とZoomを活用したグループワークであった。研修の主な中身は、虐待対応状況、障害者虐待防止法の概要、当事者の声、虐待防止委員会の役割等々、障害者虐待に関する多岐にわたる内容だった。

研修の内容の中で、「県内の障害者虐待の現状について」の報告があった。神奈川県内の虐待通報の件数、県が虐待と認めた件数、共に年々増加している。ここ数年、県で認定された障害者虐待の約7割以上が、知的障害のある人が被害者であり、身体障害、精神障害に比べてはるかに件数が多い。また、サービス種別でいうと、近年は共同生活援助(GH)が多く、次に障害者支援施設(入所施設)、放課後等デイサービスと続く。GHについては、昨今、新設の件数が急増しており、現場職員への適切な人材教育、人材確保等に特に課題があることが背景にあるという。また、加害者の傾向については、50代以上の職員がもっとも多く、経験年数の多い管理者クラスの職員の割合が多いことに失望する。キャリアがあるなしを問わず、いかに、社会的スケールをもとに客観性を持ちながら、現場の支援を日常的に見直していくことが大切だと感じる。法人が運営するGHは市内に12か所あり、約50名以上の職員が日々、サービスを提供している。障害者虐待のリスクが高い支援環境であることをスタッフみんなで認識し、虐待をする、しないといった最低限の支援を目指すのではなく、利用者の自己実現に向けたその先の支援が当たり前に実践できる支援環境を作っていきたい。

(写真)これまでオンライン研修をいくつか受講するが未だに慣れない・・・

この記事を書いた人

宗像 喜孝

今でも面影残る高校球児。第二の故郷、屋久島のアウトドアで鍛えられた鋼の肉体。育成会随一の「しゅっとした人」。地元ベイスターズの運営に関しては、辛口の批評家でもある。そして何より、愛妻家。