日記

〜駅弁〜  (相談支援プラザ/課長 一戸 香織)

相談支援プラザ

桃の香りが漂い、春の訪れを感じる季節になりました。
そしてこの季節は、卒業式、人事異動など生活に大きな変化が訪れる季節でもあります。

数十年前、私自身が故郷を離れたのもこの季節でした。

新幹線が通る前は上野駅から特急電車で4時間かけて帰省していました。
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時間の乗車はお尻の痛さを感じるほどとても長い時間でした。
その長い時間の中で唯一の楽しみだったのは、途中で買う萩野屋の「峠の釜飯」でした。

「峠の釜めし」は益子焼の土釜を使い、出し汁で炊き上げたご飯の上に、鶏肉・ごぼう・椎茸・筍・うずらの玉子・栗・銀杏・グリーンピース・紅生姜の9種類のおかずがぎっしり詰まったお弁当でした。

紐をほどき、割り箸を手に蓋を開ける時は、わくわく感だけでなく、一人食べる寂しさ、様々な事への不安など色々な感情がこみ上げてきて味わったことを今でも覚えています。
新幹線が開通し、1時間半程で故郷に帰れる様になりなりましたが、最近では車で帰ることが多くなり、すっかり駅弁を食べる機会がなくなりました。

先日、「たまには峠の釜飯を食べながら一般道でゆっくり帰るのもいいね」と言う話で、一般道で帰ることにしました。

久しぶりに食べる『峠の釜飯』の味は変わらず、何十年も前の記憶が一気に甦り、車中もいつもと違う話題で盛り上がりました。

故郷で帰りを待っている父・母にも土産の「峠の釜めし」を買い、喜んでもらいました。

いつもと少し違うことをして、いつもと少し違う1日を過ごすことが、余裕なく過ごしている自分にとっては必要と感じた一日でした。

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食べ終えた容器の釜は植木鉢として活躍しています(写真)

この記事を書いた人

一戸 香織

お米の産地で生まれ育ち、ご飯が大好き!おにぎりでお米の違いが分かります。微妙な力加減で、ふっくらとしたおにぎりを作れる事が密かな自慢。
具は大好きな梅干し!