日記
「杜の都」に思いを馳せて(よし介工芸館・アートスペースわかくさ 施設長 伏見康一)
よし介工芸館
アートスペースわかくさ
父が他界して早1年が経とうとしている。生前の時よりずっと多くの時間を父のことに費やし、考えた月日であった。併せて未経験だった各種手続き・段取りも専門家の方々のおかげもあり勉強させて頂いた。この機においても父への感謝の念に堪えない。
父の故郷は仙台。私たちこどもが幼い頃には帰省していたが、もう何十年も家族揃って仙台には行っていない。欲を言えばもう一度、父と仙台に行きたかった。一緒に駅弁と缶ビールと車窓を楽しみたかった、七夕に行きたかった、ずんだ餅や鰻を食べたかった。
父はもう両親と再開して存分に思い出話を楽しんでいるのかもしれない。思い返すと、父から両親や兄弟の湿っぽい話は聞いたことがなかった。若くして家族と離れて暮らすことを選んだ父、深い思いを胸に秘め、飄々としていたに違いない。
今一度、家族と過ごす大切さを痛感している。生涯、教職者として生きた父から最後に教わった者としてその生き様、佇まいを忘れないようにしていきたいと思っている。いつか胸を張って報告できるように日々精進したい。
トップ画像は城ケ島、ここも思い入れのある場所です。
この記事を書いた人
伏見 康一
休みの日には、得意な手料理を家族にふるまう、グルメなお父さん。70年代のマニアックなロックに詳しく、その知識には他の追随を許さない。シュールな冗談と利用者の笑顔が大好物。