日記

「不意の出来事」(湘南セシリア 課長 鈴木保志)

湘南セシリア

 先月、右手薬指の腱を切るケガをした。椅子に座る際、ジーンズの右ポケットに突っ込んでいた手がポケット内に引っ掛かり、抜き損ねた状態で座ったところ、指に圧がかかり「パチン!」とゴムが切れたような音が耳に伝わった。すぐに右手を確認すると、薬指の指先がお辞儀をしたまま伸ばすことができない。整形外科に通院すると腱が切れているとの診断で「マレットフィンガー」と呼ぶらしい。何となく洒落た診断名だが、6週間は金属の支えで固定する必要があり、少々やっかいである。

 このような機会なので、脳に新しい刺激を与えるべく歯磨き等、生活の一部をあえて左手で行うように、色々と試すが利き手のありがたみを痛感する。歯磨き一つにしてもぎこちないが、この間は左手で磨くことを決めたため虫歯になり後悔しないよう、最初は必要以上に時間をかけひどく出血をした。現在、5週目に入ったところだが、歯磨き一つにしてもある程度滑らかに磨けるようになってきたことを体感する。

 次にピアノを弾いてみることに、この機に左手難度の高い譜面に触れてみるが、左手のパートだけを弾こうとすると、普段弾き慣れた曲であっても自然に手が動かない。これは右手だけでも同様であり、両手一対で脳も体も覚えているからである。右手を膝の上で動かすとつられるように左手の動きを取り戻し、独立した練習がなされていないことを感じる。左右が独立していくと、双方の音が聴き分けられ音のバランス等の制御ができる状況となり、感情移入をしても演奏をコントロールすることができる。わかってはいるが、左手のために作曲されたものでないと面白みもないため継続的な練習が難しい。ちなみに左手だけのために作曲された曲も多数あり、過去に右手を突き指した際に取り組んだ記憶がある。

 それにしても定期の内科に加え整形の通院・・・診察の待合で弱気になる今日この頃である。

この記事を書いた人

鈴木 保志

自宅にグランドピアノを設置している法人内随一のピアニスト♪仕事の疲れやストレスを旋律に乗せて‥‥♪…と言いたいところですが、もっぱらお酒に走ってしまう、反省の日々です。