日記
「家族旅行」(湘南セシリア 課長 鈴木保志)
先日、家族4人で長野旅行をした。いきさつとして、昨年の夏は旅行前日に長女(高1)がコロナ、今年の夏は旅行前日に長男(中1)がコロナに罹患し中止、ゆえに私の未消化による提案である。旅行1か月前に発案、決定したことであるが、決定したことに満足し旅行5日前まで何の話題にもならず・・いつものことだ。いざ行き先の宿泊先を調べると連休も相まってどこも空きがない。長男などは朝食のバイキングが食べられればよいとのことで、湘南台あたりのビジネスホテルはどうか?などふざけた提案まで出る始末である。結局、行先ではなく宿泊先から価格や距離で長野に決定した。
旅行当日の早朝、リビングで荷造りをしていると、反抗期の息子が「部活休みたくなかったんだよな・・」等、旅行に水を差すような発言でイライラとさせてくれるが、近隣の「すき家」で牛丼を与えておくと機嫌が良くなり車で眠ってしまう。渋滞でイライラする自分に油を注がれるよりよっぽど良い。
3連休初日ということもあり、距離のわりに渋滞で到着が遅くなったが、美しい自然を感じながらのドライブは心身ともに癒される。道中、白樺湖に立ち寄り散歩をするが、とにかくライダーが多い。季節もロケーションもツーリングには申し分なく、これ見よがしに自慢のバイクが通過していく。
湖畔に広がる森とその後方の山を見上げ、ふいに娘に噓をついてみる。「富士山も反対から見るとこんな風に見えるんだね、藤沢から見る富士山とは全然違うね。」と言うと「そんなわけないじゃん」、さらに「樹海もこんなに近くに広がって見える。」と加えると「バカじゃないの。」と一蹴される。数年前であればくいついてきたところだ。そしてその後のストーリーをどのように展開していくかが腕の見せ所だったのだが・・時の流れにはかなわない。白鳥の乗り物で湖を漂っていた息子が岸に戻ってきたところ、改めて同じ噓をついてみる。「マジか!」と写メを取り始めるため、あまりのバカバカしさにすぐにネタばらしをしてしまう。反抗期だが無邪気である。
ホテルは快適、翌日もひたすら車を走らせ、娘の希望する映えスポットをまわり、帰りは案の定高速道路も超渋滞である。我慢できず下道に降りると考えることは皆同じ、引き続き下道の渋滞にはまる。
神奈川県に入り間もない頃だったと思う、のんびりと下道を走りながら信号待ちをしていると、のそのそと目の前を大きな生き物が横切っていくのを車のヘッドライトが映している。驚いた拍子に「豚みたいなのがおる!」と叫ぶと、後部座席から「イノシシ!」と車内が一瞬盛り上がる。
子どもも大きくなり、密な会話も徐々に減りつつある日常だが、日常を離れた車内空間では普段よりも会話が弾み渋滞も悪くないと感じる。先ほどから車内で食べ散らかしている菓子の食べカスが気になるが、今日は目をつぶろう。
また旅行したいと思うが、反抗期の坊や次第か・・疲労困憊の帰宅だがこの安堵感が良い。
この記事を書いた人
自宅にグランドピアノを設置している法人内随一のピアニスト♪仕事の疲れやストレスを旋律に乗せて‥‥♪…と言いたいところですが、もっぱらお酒に走ってしまう、反省の日々です。