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施設長・課長日記
「旅の一コマ」(湘南セシリア・みらい社 鈴木保志)
先日、千葉県の香取市佐原の街並みを観に、一人で出かけた。出発前日まで行き先をどうしようかと悩んでいたため、何となくカーナビに住所を入れ、何となくの情報のみで現地に向かう。当日の午前中は健康診断で、バリウムと下剤を飲んでからの出発の為、キリキリと腹痛を伴いながらのドライブである。距離も手ごろなので、千葉に入ると高速道路から一般道に乗り換え、知らない土地をキョロキョロとしながら走行する。街と自然が交互に移ろう景観に、喜びを感じられることも旅の醍醐味だと思う。道中、利根川を左手に、右手には稲刈りを終えた田が広がり、後にネットで調べると千葉は全国でも有数の米所であることを知る。夕方、目的地に到着するとホテルに荷を置き、観光の下見と居酒屋探訪をする。
燗酒をのみながらボーっとテレビを見ていると、今回の旅に彩りを添えてくれるおじいちゃんが登場する。女性と2名で入店した男性(高齢)が、目の前の席に座るとすぐに何やらやり取りをしているが、どうやら「明日は飲まないから、今日飲みたい。」と女性にお願いをしているようだ。そのやり取りと2人の雰囲気から、高齢者施設の利用者と職員で、女性の貫禄からおそらくは施設長であると想像できる。「明日は明日で飲みたくなるでしょ・・。」と言っているそばから「ビール一本!」と男性が注文し、テーブルに置かれたビールをグラスに注ぐや否や、その勢いのまま飲み干す。顔は満面で、あまりにも美味しそうに飲む姿に私も思わず笑ってしまう。女性はというとスマホを片手に「人がいないのよ、超勤でやってるよ・・」とその後も電話の相手にあれこれと指示を出している。他人ごとではない・・と思いながらその様子を眺めていると、男性がすかさず「もう一本!」と注文を入れる。こうなると心の中では「飲んじゃえ飲んじゃえ!」と事情も知らず応援したくなる。あの笑顔と飲みっぷりから、我慢からの解放が伺える。私もその表情にとても良い気分で店を後にしつつ、週一の休肝日翌日は、頑張った感をかみしめる自身と重ねる。
さて、佐原はというと漂う水面に沿って建ち並ぶ街並み、こうべを垂れる柳、遠方というひいき目が相まり何とも趣があるように感じる。
バリウムと今朝の下剤に、キリキリと腹痛を伴う帰路となったが、一人を堪能した良い旅となった。
「つなぐ」(湘南セシリア・みらい社 三嶌悟)
秋の気配を感じていたら、急に冬がやってきて寒暖差が厳しいこの頃です。さて、11月18日には「いんくるフェスティバル2023」が開催されました。やや風が強い中でしたが、利用者さんや関係者、地域の方々にも多数ご来場いただきありがとございました。
私は久しぶりに実行委員として活動し、改めてイベントの大切さを感じました。「いんくるフェスティバル」という形式では、今年で6回目となります。それ以前には、「法人スポーツ大会」として実施していて、形式や内容には変遷がありますが、「年1回法人イベントの実施と参加者が楽しめる企画」というコンセプトは、今も昔も変わっていません。
また、今年は法人設立35周年にもあたります。先人たちの想いやこれまで培ってきた事業や支援もさることながら、こうした「イベント」も同じく繋いでいくものだと思っています。「終わりは次のスタート」です。
次は、2024年2月17日(土)開催される、藤沢育成会後援会「いずみ」との共催による、「藤沢育成会チャリティーコンサート」です。
今後とも、みなさまのご理解やご支援を賜りますようお願い申し上げます。
*写真は、「パン工房あゔにーる」の移動販売車です。「いんくるフェスティバル2023」から活用しています。
1年に一度(湘南ゆうき村 高橋宏明)
来年度、3年に一度の報酬改定という話がありましたが、私は1年に一度のことを紹介します。
研修やイベントの一部紹介させていただくと
10月22日(土)に法人内で実践報告会を行ないました。
今年度は事前研修で講義をしていただいた東洋大学の髙山直樹教授をお呼びし、選抜された7つの事業所の実践報告について、講評していただきました。今回のテーマである『意思決定支援~当事者目線の支援』についてわかりやすく説明していただき、職員のメモの取る姿勢が印象的でした。
11月11日(土)には事業所のお祭り『湘南ゆうき村収穫祭』を開催しました。
今年は地域の方も終日参加できるように呼びかけ、当日来場された方もいました。
収穫祭は1年に一度ですが、湘南ゆうき村は町内会の役員をしており、ほぼ毎月、防犯パトロールや地区レクリエーション、防災訓練等々に参加しています。
顔の見える関係は素敵ですね。
11月18日(土)には法人のお祭り『いんくるフェスティバル』が開催されました。
昨年度同様、秋葉台公園にて開催し、ミニ江ノ電乗車体験やスタンプラリー、キッチンカー、各ステージなど大いに盛り上がりました。
1年ぶりにお会いできた方もおり、お祭りの良さを実感する一日となりました。
1年に一度の為、テント設営の序盤に議論百出し、徐々に一致団結する毎年恒例の動きが懐かしくも感じました。
藤沢育成会は11月22日(水)に法人設立35周年を迎えました。
36年目も充実させたものにできるよう、日々を大切にしようと再認識しました。
写真は、1年に一度でなく、28年間稼働した初代キュービクルで、先日更新工事を行ないました。
「日常の反復と増殖」(湘南だいち 石川大助)
ついこの間まで夏日が続いて暑かった気がするが、あっという間に朝晩の気温も下がり冬に近づいてきたと実感する日々だ。暑さの方が好きな私には厳しい季節がきてしまった。しかし寒くなってくると空気の透明度が高く、富士山がきれいに見えるのは好みだ。
今の季節の秋と言えば「食欲の秋」「紅葉の秋」「スポーツの秋」等をイメージする方も多いと思うが、私の秋のアンテナは「芸術の秋」が立っている。そのおかげで、色々な場所で展覧会や音楽祭の案内が目に入ってくることが多く、ふと「アート」ってなんだ?と考えてしまい調べてみるとアートの定義とは次のようだった。
『表現者や表現物によって、鑑賞した人が精神的・感情的に変動する作品や活動』
また、人の気持ちや心を動かす作品すべて、絵画や彫刻のような目に見える物だけではなく、音楽などもアートに分類されると書かれていた。
鑑賞した人の心が揺さぶられる作品や活動がアートの定義ならば、人それぞれの感じ方があってよく、特別な展示会でしか見れない作品も劇団などの大舞台も、小さな画廊の展示会も公民館の一室で行われる落語も当てはまる。自身のアンテナのチャンネルを変えるだけで、当たり前に見えていたものが「作品」に変わる可能性がある。
利用者の描いた点描画、作業でできたアルミの塊、ペットボトルキャップの反復した並び、誰かが折った紙のハートを壁に繰り返し貼っていく活動もアートに変貌した。アートは特別な場所でしか目にしないものではなく、日常の小さな反復の行為に埋もれている。一つ二つ、、、百、千、万と増殖させ形を成すことで、見る側は圧倒され立ちすくむかもしれない、怒りだすかもしれない、涙するかもしれない。日常にあった反復の行為は増殖することで心を揺さぶるアートに変貌する。時間がかかるが確実に種はある。まずは、そんなアートの種を見つける仲間を増殖させたいと思っている。
写真は、私が住んでいる近くの夕焼けの揺れるススキがメインの風景です。
3年に一度(湘南ゆうき村・湘南だいち 妹尾貢)
2024年度(令和6年度)は、3年に一度の報酬改定が予定されています。今回は、障害福祉以外にも、診療報酬と介護報酬との同時改定ということで、議論が活発化しています。
論点の軸はいくつかありますが、物価高騰対策と、従業者の他業種との収入格差の是正について、ニュースなどでよく取り上げられるので、目にされた方もおられると思います。
世間ではあまり話題にはならないけれど、注目している論点があります。それは「入所施設からの地域移行推進」です。これは、「インクルージョンふじさわ」の実現のためにも、とても大切な論点であると思います。理想の実現には、理念だけでなく現実の制度が大変重要です。
今回の論点は、以前からさまざまに議論されてきたことですが、施設入所支援に関する制度変更は、これまで軽微なものが多く、ここまで踏み込んだものは、ほとんどなかったと思います。
もしかすると、国連障がい者権利委員会が2022年9月に日本政府に対しておこなった障がい者施策に関する勧告の影響もあるのでしょうか。これは日本の障がい者政策が「パターナリスティック」であるという指摘を行ったものです。
※パターナリズム(父権主義)に関しては、9月1日理事長日記参照
10月7日付け福祉新聞の記事には、
「厚生労働省は2024年度の障害報酬改定で、夜間に障害者をケアする「施設入所支援」の定員別の報酬設定を10人刻みにする方針を固めた。入所者がグループホーム(GH)やアパートなどに移行した後、空いた分の定員を減らすよう誘導したい考えだ。
~中略~
厚労省は26年度末の施設入所者数を22年度末比で5%以上減らすよう都道府県に促している。地域移行だけでなく施設定員の削減も進める考えで、24年度の報酬改定は、これに関連した改定事項が多くなりそうだ。」とあります。
10人刻みの報酬体系で、本当に定員が減っていくのか、もう少し刻みが細かくないと難しいようにも感じますが、方向性としては分かり易いと感じます。
また、11月6日付け福祉新聞には、
「厚生労働省は2024年度の障害報酬改定で、障害者支援施設で暮らす人が昼間に施設外の通所事業所で暮らすことを促す方針だ。施設外の通所事業所を見学した場合の加算を設けるほか、施設外の事業所に通う場合は、その通所先が得る送迎加算の対象とする。施設から地域生活への移行を進める動機付けにしたい考えだ。
~中略~
厚労省の調べでは、施設外の事業所に通う入所者がいる施設は全体の25%。施設外に通う障害者はおおむね9人に1人にとどまるという。」
とあります。
藤沢育成会の2つの入所施設は、以前から外部生活介護への通所を積極的に進めてきました。上記の記事を見ると、全国的には職住分離の割合は意外に低いようです。
制度の変更は、現実の動きが先にあり、それをみながら制度がそれを後押しするように動いていくので、現実の動きがやっとここまで来た、ということなのだと思います。
変化が起きるときには、先行きに不安を感じる部分もありますが、この動きが市民の生活の充実にむけて動いていく大きな流れになればと思います。
今後も議論の方向性を注視しながら、きたる報酬改定に備えていこうと思います。
~栗ひろい~(相談支援プラザ 一戸香織)
父から「栗がそろそろ採り頃だよ」と知らせがきたので10月はじめに帰省をしました。
小さい頃から見慣れていた栗の木は、こんなに大きかったのかとびっくりする程立派に育って、たくさんの実をつけていました。
鋭いトゲが刺さっても平気な長靴と栗の実を入れるビニール袋を腰に下げ子どもの頃と同じ格好をして父と一緒に山に入りました。
栗の実を棒で突いて落とし、イガを両足で割るように踏みつけて中の実を取り出します。
何回も繰り返し満足の行く収穫でしたが、一緒に栗拾いした父の体力の衰えと少し小さくなった背中を見ながら寂しさも感じました。
採ってきた自然の恵みは"鮮度が命"
とても大変な皮むき作業を母と一緒にしました。
母の手際の良さと昔から変わらない味の「栗ご飯」と「栗のワイン煮」を堪能することが出来ました。
年老いてきた父とまだまだ元気な母の今後を考えさせられる帰省となりました。
また、来年も栗ひろいに行きたいと思います。