日記

施設長・課長日記

生きることの輝き(よし介工芸館・アートスペースわかくさ 施設長 妹尾 貢)

よし介工芸館

感染症の防止のために、我々の仕事も生活も否応なしに変化を求められ、人が集まることがしにくくなり、活動にも新たな制限が生まれるようになって、改めて「自分の好きなこと」を考えてみた。

バイクにのる、釣りに行く、音楽を聴く、海にいく、虫を捕る、生き物を飼う、泳ぐ、本を読む。休みの日にすることと言ったら、一人遊びのたぐいが多い。

それは「新しい生活様式」になる前から、もっと言えば子どもの頃からそうだので、今回のことで工夫は必要になったが、ストレス発散はできている。

上記の活動の共通点について考えると、どれもみな「生きていることの輝きに触れる」という要素があることに気が付いた。なんだか矛盾している気もするが、そうなのだ。

人間に限らず、広い意味での「他者」の生き生きと活動する様子や、それらが凝縮されて結晶となったものを、いろいろな感覚を通して感じていたい。そういったことを求めて、自分は活動している、ということを改めて認識した。

これは、人類共通の欲求なのだろうか。

人類は図太い生物なので、前人未到の地のどこまでも分け入って、適応してきた。北極圏や南極圏に住む人もいるかと思えば、湖の浮島の上に住居を構えて住む人たちもいる。

古い友人が、インドの北部のラダック地方に住んでいる。日本から移住して観光ガイド・民宿を営むようになって20年が経つ。ヒマラヤ山脈に近いその地域は、標高3000メートルを超え、12月から4月の冬季は毎年、自然の力にロックダウンされるそうだ。一番ちかい都市につながる唯一の道が、雪で閉ざされるからだ。そのような厳しい土地で、人々が生き生きと生活している様子が、友人のホームページから伝わってくる。

人類は、今回も困難を乗り越えて、適応するだろうと思う。どう乗り越えるか、それが問題だ。健康・人命と経済とを天秤にかけるようなことはしたくないが、ウィルスが引き起こす感染症だけでなく、経済が健康・人命にかかわっている部分もあるので、単純な話ではない。経済活動とは、人と人が助け合っていることの一つのあらわれでもある。

ラダック地方では、標高が高すぎて冬は作物がとれないため貨幣経済による物々交換が必要になるが、もっと標高の低い地域では、お金が無くても、自給自足に近い生活で食べる分には困らないという。

 現状に適応した、生活・経済のありかたをいかに生み出すか、我々の活動がそこに、どう関われるのか、そんなことを考えている。

季節の中で 2(湘南セシリア・みらい社 施設長 石塚 和美)

みらい社
湘南セシリア

早いもので12月。今年も残すところひと月となりました。

今年はコロナに始まり、11月には神奈川県知事が再度メッセージを発表しました。

感染拡大を防ぐため、「M(適切なマスク着用)、A(アルコール消毒)、S(アクリル等でしゃへい)、K(距離と換気、加湿)」の基本的な感染防止対策の徹底をお願いしますと記載がありました。

今年は、外出の規制や季節の行事も、中止や縮小などいつもと違う一年となりました。

 その中で、小中学校では運動会や修学旅行のかわりにスポーツ大会や学校でのお泊り会など、みんなで工夫を凝らして考えたイベントを行い、忘れられない思い出を作ったのではないでしょうか。

法人としては、例年、利用者が参加するイベントを企画しておりましたが、今年は集まることができませんので、法人設立記念日にむけた11月16日から11月22日まで「いんくるウイーク」を企画しました。利用者・職員が協力して各事業所の動画撮影や法人のキャラクター「いくちゃん」の塗り絵やゲームなど作成しホームページに掲載したり公用車に掲示し「ラッピングカー」にするなど一体感をもつことができました。

 湘南セシリアもなかなか外出できない中で、秋には焼き芋会やハロウィンなどを企画し利用者に楽しんでいただきました。また、季節の食材を使った松花堂弁当も楽しみのひとつです。掲載した写真は11月の松花堂弁当です。

今は年末にむけて、クリスマスの準備をしているところです。クリスマスメニューも今から楽しみです。

 

一年を振り返り、いろいろな気持ちで年末を迎えましたが、日本にはこんなにもたくさん季節を感じる行事があったのだなあと改めて思いました。そして、人との繫がりを深くふかく考えた一年でした。

 皆さま、健康に気をつけてよいお年をお迎えください。

「心のだいちに思いを寄せて」  (相談支援プラザ 伏見 康一)

相談支援プラザ

遅ればせながら9月いっぱいで湘南だいち施設長の職を降任し、相談支援プラザ専任の配属となりました。湘南だいち就任中においてはご利用者様・ご家族様をはじめ、地域の方々や連携事業所様、委託業者様等関係各位、職員の皆様には大変お世話になりました。

 至らない点もあり、心中苦しい思いもありますが、今与えられている相談部署の任務を達成してこそ皆様への恩返しとなると考え、業務にあたっております。

 湘南だいちは法人の中で一番新しく、施設としての若さがあります。芽生えたこと、これから芽生えてくることなどたくさんの芽が育っていきます。そしてきっとその芽には思いという肥料が必要なのだと思います。

「心のだいち」にたくさんの芽が育まれるようにと、思いを寄せています。これからも共に歩み続けたいと思っています。

「第50回 説明はすれども正当化はせず」(湘南あおぞら 施設長/倉重達也)

湘南あおぞら

フランソワ・ラブレーの研究者として知られている渡辺一夫の著作の中に、「ある教祖の話(a)」として宗教改革者「カルヴァン」を扱った物語があります。

 その中に、カルヴァンの影響を受けたジュネーヴの民衆がカトリック教会を略奪破壊し、過激に教会を糾弾したのにも理由があったというようなことが書いてあります。

例えば、カトリック教会が無知な信者を欺くためにおこなった例として次のようなものをあげています。洗礼前に死んだ幼児が、改めて洗礼を受ける際に一時息を吹き返したというような幻覚を与える目的で死体内へ空気を入れるトリックを使ったとか、ザリガニに小さなローソクを付けて放ち、亡霊が出たような感じにする仕掛けをしただとか、数世紀来使徒ペトロの脳髄としてあがめられていたものが、ただの軽石にすぎなかったというような珍妙な事実が明るみに出たというのです。そしてこのことがカルヴァンやルッターにカトリック教会に対して反逆を企てさせたと言うのです。

 渡辺一夫はその物語の中で、カルヴァンの研究者の言葉を引いて、「こうしたキリスト教の精神的失格(カトリック教会の堕落)は、民衆の反動としての暴力を正当化しはしないが、これを説明するものである」と言っています。

 どんな行為にも理由はあるでしょう。そして最近は「説明責任」と言う言葉がよく使われます。説明をされると納得した気になってしまいますが、いくら説明責任が果たされたとしても、その前にその行為が、「正しい」か「正しくない」かの判断があるということを忘れてはいけないと渡辺一夫は訴えたかったのだと思います。

 彩〜いろどり〜 (サービスセンターぱる 課長/只熊 裕子)

サービスセンターぱる

来週行われる、インクルウイークの取り組みの中で、事業所紹介をする場面があります。

サービスセンターぱるのヘルパー部署では、主に電車、バスを利用しての外出の支援をしています。

取り組みの際、ある職員が考えてくれた「生活に彩"いろどり"をつける」という言葉がとても印象に残りました。

自分自身の生活の中での彩"いろどり"とはなんなのか、私の生活の中に彩はあるのか、考えさせられた言葉でした。

数か月前、ご近所さんより、しその苗を頂き、花壇に植えています。頂いた時は葉っぱが3枚ほどの小さなものでしたが、次第に大きく育ってきました。

週末になると、食べられるしそが数枚できており、どんな食べ方をしようかと、「しそレシピ」の検索をする週末が続いています。

私は料理が得意ではないため、パスタ等にすることが多いのですが。

今は、食べ方についてはほぼありきたりになってきていても、週末にむけて、しそが出来ていることが些細な楽しみとなっています。

そこで、もっとこの楽しみを増やしたいために、別の苗を探しに行きました。

色んな苗がある中、結局、すぐに食べられるレタスや、娘が楽しめるイチゴの苗を購入しました。

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生活を充実させる為に、自分がやりたいこと、家族が楽しみにしていることを取り入れていくこと。

この出来事も些細なことですが、私にとっては生活に彩を与えてくれる一部だと感じています。

生活に取り入れたいことは、他にも色々とありますが、いつか熱帯魚を飼いたい、と小さな夢を持ち続けています。

生活に彩をつけることは、外出だけでなく、何かを行ったり等、人それぞれ違ってくると思います。私たちも皆様の生活に少しでも多くの彩"いろどり"をつける支援を一緒に過ごしながら、多方面から行っていきたいと思っています。

なす(湘南ゆうき村・アポロ 課長 高橋 羽苗)

アポロ
湘南ゆうき村

今年の夏は、湘南ゆうき村の畑でたくさんのなすを収穫しました。

なすの苗を植える時、「なすはうまくいけば長い時期でたくさん楽しめる」と教えていただいていたのですが、半信半疑でのスタート。それでも、9月までの収穫本数を振り返ると1200本以上のなすを収穫しました。

今年は、雨天が続き野菜が高騰したこともあり、100円で販売していたなすは超特価!利用者さん、職員をはじめ、湘南ゆうき村に来館された方にも大好評でした。

 コロナウイルスの影響で、外出を控えていた中、畑活動は植物の強さと季節の変化を感じられる場所となりました。実がなりはじめたころには、まだ目線よりだいぶ低かった苗ですが、真夏の暑い時期には、反対側に立っている人が見えなくなるほどの大きさに。剪定では、どの枝を残すか、どの葉を落とすかと教わるものの思うようにはできず。。それでも、残した枝はすぐにぐぐっと伸びて、つやつやぱつぱつのはち切れそうな実が枝をぐっと垂らし、かごいっぱい収穫ができました。その頃には、活動としても定着して、利用者さんの収穫も切り取る箇所や収穫のサイズがだんだん揃ってきて、利用者さんから、「茄子とらないと!」と声がかかることも。涼しくなってきて、さすがに頻度は減っていますが、秋なすとして今も収穫が少しずつ続いています。

外での活動に制限があった今年の夏、できなかったこともたくさんありましたが、この夏だったからこそ盛り上がれた取り組みだったかなと思います。夏のカエルや、秋に支柱にとまるトンボも、数に「うっ...」と思いながらも季節がちゃんと動いていることを感じさせてくれました。

 ご協力いただいた皆様ありがとうございました。