日記
アートスペースわかくさの施設長・課長日記
黒崎義介先生の命日(よし介工芸館/アートスペースわかくさ 施設長 妹尾 貢)
梅雨が明けて、気持ちよく晴れた朝にバイクで快調に走っているとき、ふと思った。
「俺って最高!」
いやしかし、このバイクを作ったのは私ではない。
「YAMAHAのバイク最高!」
でも、この道路を作ったのは?
交通ルールを作ったのは?
ルールを守って安全運転しているのは?
そもそも僕がここに存在するのはどうやって?
こうやって考えていくと、今まで生きてきたすべての人のおかげで、今、自分の日常があることが、リアルに感じられた。
一人の人間の一生という、限られた身体、限られた時間で達成できることは、ほんの少しだろう。
先人のうまくいったことは、他の人に伝えられ、活用されて、さらに深みを増す。
忘れていけないのは、失敗もまた、人類の経験となって他の人達の役に立っている、ということだ。
それらの蓄積を共有して、その上にさらなる工夫をして生きていくのが、人間という生き物の特徴だ。
そう考えると、すべての人への感謝の気持ちで心が満たされる。
人とは非常に個別性の高い生き物であるが、一方で、ひとりではとても無力な生き物である。
だから、自分の在り方と社会とのはざまで苦しむこともあるのだろう。
自然な形で、社会と一体感をもって、生きていけたら、幸福なことだろう。
藤沢育成会も、いままでたくさんの利用者、ご家族、職員、ボランティアさん、業者さん、そのほか、関係者や、直接は関係のなかった市民まで含めて、様々な人の協力で支えられてきた。
なかでも、法人格取得以前の「星の村作業所」の時代から、多大なるご協力をいただいた、黒崎義介先生と時子夫人には、ことさらに感謝の意を表したいと思う。
昭和59年8月12日が、先生の命日である。
よし介工芸館の前には、藤沢在住の彫刻家、桒山賀行さん作「義介の像」があり、毎日挨拶できるが、命日にはお墓参りに行きたいと思う。
『帰省』(よし介工芸館・アートスペースわかくさ:儀保治男)
2020年を迎えて早いもので半月が過ぎました。皆様、良い年末年始を迎えましたでしょうか。
年末年始は、故郷がある方々は、帰省をされたことと思います。私の故郷は沖縄ですが、年末年始の帰省を行わず、昨年11月末に帰省をしました。
今回の帰省は、全日程どんよりと曇り空(3日目の夜は嵐)で、沖縄の青い海・青い空を満喫すことは出来ませんでしたが、久しぶりの人との出会いを満喫することが出来ました。また、地元の人間ですが、ここ最近の沖縄はどんどん開発が進み、新しいスポットも多くできたので、観光も楽しんできました。
「瀬長島ウミカジテラス②」
初日は、沖縄で私が勤めていた前の職場を訪ねました。かなり久しぶりでしたが、当時私が関わっていた利用者の方々から積極的に名前を呼ばれ、10年以上経っている時間もすぐにあの時に戻ることが出来たのは、とても嬉しく思いました。その日の夜は飲み会をセッティングしてくれて、当時一緒に仕事をした仲間が集まってくれて、昔話に花が咲きました。
2日目は、友人たちが飲み会をセッティングしてくれて、15年ぶりに会う友人との再会や、50代を迎えてもあの頃のままの会話が出来る大親友との楽しい時間を過ごし、改めて友人の大切さを感じることが出来ました。
3泊4日の帰省でしたが、最終日に前の職場の上司から電話があり、「今日で帰るんだよね。お昼はどうするの?」との話を頂きましたが、母親との約束があることを伝えると「・・・そっか。おふくろさん孝行するんだよ。」と言われ電話を切りました。電話を切ったあと、私の心の中に何か引っかかる気持ちが残りました。せっかくの連絡を断ってしまって・・・。神奈川と沖縄、距離がある分気軽に会うことが出来ないので、次回帰省した時には、必ず一緒の食事を楽しみたいと思います。
沖縄を離れて15年が経ちます。50代を迎える今年、自分の「繋がり」と「故郷」を振り返るために、これからは年1回の帰省をして、自分がお世話になった人たちと過ごす時間を作っていきたいと思います。
「感謝」(よし介工芸館/アートスペースわかくさ 妹尾貢)
年末も押し迫って、最近は今年一年を振り返ることが多くなりました。4月から現在の事業所に異動になって、その前の3年間働いた事業所を離れたことで、あらためて、利用者さんや職員の仲間に、とてもお世話になったことを振り返りました。
4月以降、新しい場所で新しい仲間に囲まれて、あっといまに9か月が経過しようとしていますが、その間にもたくさんの人たちに支えられて、活動できていることに、感謝の気持ちが湧いてきます。よし介工芸館やアートスペースわかくさには、継続的に活動してくださっているボランティアの方がいます。そうやって、よし介・わかくさを応援してくださる人達に感謝に気持ちをあらわすとともに、応援団の輪をもっと大きくしたい、多くの力を集結したい、と思っています。
人間は社会性動物で、ひとりで生きていくことはできません。人が集まって協力することで、決して一人ではなしえないような大仕事をやってのけるのです。
現在、アートスペースエクルのウッドデッキが古くなってしまったのを、ボランティアの方が、リニューアルしてくださっています。身体を使うのが好きな利用者さんの、仕事にもなっています。利用者さんにも、職員にも、そして地域の人にも、充実感をもたらせるような、そんな場所、そんな仕事ができたら素敵だなと思っています。
今年一年、ありがとうございました。
写真:エクルのウッドデッキにサンドペーパーをかける、ボランティアの平さんと利用者の茶谷さん