日記
湘南ゆうき村の施設長・課長日記
『区別』から『統合』へ(湘南ゆうき村 高橋宏明)
『男性の育児休業取得率過去最高の約17%に!』
という見出しのネットニュースに目を引かれた。
よくよく読んでみると、この調査は厚生労働省が毎年行っているもので
2022年10月に全国の3300余りの事業所から回答を得たとのこと。
私自身、2度育休を取得しており、常日頃から気になっている話題。
地元の友人たちと仕事や子育てについて話していると、
育休を取ったこととあわせて
その期間(1度目は一か月間、2度目は三か月間)に驚かれる。
冒頭の育休取得率は、数日や1週間でもその率に入る。
もちろん、その家庭や会社によって事情は異なるので、
育休の期間に「長い」や「短い」はない。
しかし、希望した期間を取得させてくれた法人と事業所、
そして応援してくれた利用者さんとその家族に感謝している。
仕事と育児の両立がより難しくなるのは、妻の育休が終わり仕事に復帰した後。
子どもが体調を崩すと保育園から呼び出しの連絡があり、仕事を調整する必要がある。
仕事と子育ての両立の難しさを痛感する。
そして、「大事な仕事なのに、なんでこのタイミングで急に熱を出すの?」と
我が子を心配しながら葛藤するが、体調不良は予定をたてられるものではない。
仕事と生活を『区別』して考える
「ワークライフバランス」から
仕事と生活を『統合』して捉える
「ワークライフインテグレーション」という考え方に変化してきているそうだ。
様々な葛藤はあるけれど
これからも生活の経験を仕事へ
仕事の経験を生活へ活かしていきたい。
※写真は、休憩時間にリフレッシュできる、湘南ゆうき村屋上からの眺め
夏祭り(湘南ゆうき村・湘南だいち 妹尾貢)
先日、湘南だいちの夏まつりを開催しました。
その数日前から、熱中症アラートが発令されるくらい暑かったので当日の天候が心配でしたが、幸運なことに異常な高温にはならず、風もあったので屋外でも過ごすことができました。
昨年度までは、感染防止のため事業ごと別々な日に分かれて行い、普段のメンバー以外と交わる機会はほとんどなかったのですが、今回はだいち全体のお祭りとして行い、コロナ流行期間中にぷれっじを卒園された方やそのご家族にも声をかけさせてもらったので、大勢の方が集まり、お神輿担ぎやカラオケ大会、ダンスチームのパフォーマンスなど、大変盛り上がりました。
特に「 POWER IN DA PERFORMANCE(パワーインダパフォーマンス)」(クリックするとリンク先にとびます)の皆さんのダンスは、演者とお客さん入り乱れて、大盛況でした。
暑い中の準備はスタッフも大変でしたが、皆さんに楽しんでいただけたようで何よりでした。
なによりうれしかったのは、利用者ご家族同士でお話をする方や、卒園以来久しぶりにあった子供たち、保護者方などが談笑している姿があちらこちらで見られたことでした。
「酷暑」と言われるような気候になってしまった近年の日本の夏ですが、お祭りを実施する意味について考えるには良い機会になりました。
古来から、地域が共同体としての意義を確認し、遊びを通して協力体制を作っていくプロセスにお祭りは欠かせないものだったでしょう。「インクルージョンふじさわ」の日常を作るために、お祭りという「非日常」を作り出すこともまた我々の大切な仕事のように思います。
来年度にむけては、徐々に地域の皆様にも参加してもらえるよう、準備をしていこうと思います。
※お祭りの様子は、後日アップされるスタッフ日記をご覧ください。
写真は、油壷の磯です。マリンパークがなくなっても、海には人が集まっていました。
皆既月食 (湘南ゆうき村 課長/ 高橋 羽苗)
11月、皆既月食・天王星食が話題になりました。
今回は、皆既月食と天王星食(惑星食)が併せておきたことで400何年かぶりなのだったそう。次回の皆既月食と同時に見られる惑星食は300年ほど先の土星食だそうです。
昔の人は月食や日食は不吉と言われていたという話を、そりゃそうだろうなーと思っていたのですが、実は私が思っていたよりもだいぶ早い時代から日食や月食の予報がされていたそう。
今回の月食は条件が重なり、よりスペシャルなイベントとなりましたが、月食は多くて年に3回あることもあり、周期的なものという気づきから予報がされていたとのこと。その周期は莫大な記録を整理して導き出したものだそうです。
とはいえ、難しいことはわからずミーハーな私は、月食や日食、流星群などさまざまな天体ショーを楽しむだけ。今回の月食は、天気も良く月が大きく、きれいに欠け始めて...興奮をしながらの帰り道だったはずが、家に着いたらすっかり気が抜け、一番いい場面は実はちゃんと見ていないという結果に終わりました。
残念!
11月8日 皆既月食が始まる前の月と湘南ゆうき村です。
「生活支援の専門性を支える」 (湘南ゆうき村・湘南だいち 施設長/妹尾 貢)
12月に入って一気に寒くなりました。
今年度も半分が終わり、来年度に向けての準備期間に入っています。
今回は、法人で実施している研修を少し紹介させていただきます。
藤沢育成会が行っている研修は大きく分けて2種類、①一般向け研修と②職員向け研修があります。
- 一般向け研修(神奈川県から指定・委託を受けて実施)
・サービスセンターぱるが主に担当
「知的障害者ガイドヘルパー養成研修」:年2回
「行動援護従業者養成研修」年2回
・湘南ゆうき村・湘南だいちが主に担当
「強度行動障害支援者養成(基礎)研修」年3回
「強度行動障害支援者養成(実践)研修」年2回
「行動障害の予防的支援のための研修」年2回
があります。
これら研修は、法人の職員以外も参加できるので、他法人の同業の方たちと一緒に学ぶよい機会になっています。これら研修を通して、藤沢市や神奈川県の支援力の向上に貢献できればと考えています。
また、今年度からあらたに、強行研修のプレ研修的な位置付けで「行動障害の予防的支援のための研修」を、神奈川県から受託して実施しました。「予防」の言葉が示す通り、行動障害などの二次的な障害を生じないためには、支援する人たちが連携して、適切な支援を届けることが重要です。未就学~学齢期の支援者の連携のため、福祉と教育の垣根を超えた共通認識のために、今研修は、障害福祉の従事者に加えて、学校教員も受講していただけるような設定にしました。
実施してみると反響が大きかったので、当初の想定から規模拡大し、それぞれ約100名の参加がありました。
- 法人内職員向け研修は、法人全体研修、等級別研修、専門研修(必修・選択)資格取得研修、圏外派遣研修などがあり、私が担当している法人研修委員会は、主に専門研修(選択)の企画を担当しています。
今年度の選択専門研修は、これまでに、
・「地域共生社会に向けた取り組み」6月2日
・「家族の想い」7月7日
・「行動障害の予防的支援のための研修」7月26日、8月24日
・「行動障害の予防のための意思決定支援研修」8月31日
・「法人実践報告会」10月22日
・「地域生活推進検討会」11月29日
を実施し、このあと、1月と3月に専門研修を予定しています。
支援の現場を持ちながら、研修を受講したり、それを企画・運営したりすることは、それなりの労力を伴いますが、勉強することで仕事の質が上がり、それによって利用者やそのご家族の生活に貢献でき、喜んでもらえれば、それはまた、仕事へのモチベーションにもつながります。
研修を企画運営することは、実は受講する人以上に、自分の勉強になると感じています。内容を分かっていないと、他者に伝えることができないからです。
社会福祉・障害福祉の専門性は、生活に密着している分だけ幅がひろく、ちょっとわかりにくい部分もありますが、実は奥深く、知れば知るほど興味深いです。
職員もそれ以外の人も、面白く学んでいけるような研修になるように、法人全体で取り組んでいます。
(写真は、11月6日に、六会地区総合防災訓練に参加したときの様子です)
夢の話 ( 湘南ゆうき村 / 課長・髙橋 羽苗 )
人の夢の話はつまらないと言われますが、夢の話をしたくなることがあります。
夢の中で驚いて思わず起き上がったり、目覚めて涙を流していたりと夢の中でもとても忙しい。とんでもない傑作!と思っても、画力も語彙力も乏しい私はうまくは伝えられず、結局忘れてしまいます。
夢はまだまだわからないことが多いようで、現在も様々な研究がされています。脳内の情報と記憶が結び付けられていると言われますが、どうしてそうなった?と驚くような設定の夢もしばしばで、「あぁ夢だな」と思いながら冷静にみているようなことも多々あります。
そんな傑作ばかりなのに、人の夢の話が楽しめないのはやっぱり「共有」ができないこと。人の夢の話は、「ま、夢だしなー」で終わってしまうのがほとんどです。夢の共有についても研究があるようですが、情報と記憶の差異や、伴う感情の違いでなかなか同じ夢は難しいよう。そもそも同じかどうかの答え合わせも難しい。
昔、ドラえもんの道具で夢を覗けるテレビがあり(調べてみたら「ユメテレビ」というそう)、これがあれば友達や家族にこの面白さがわかってもらえるのに...と思っていたのですが、今考えると知らないうちに覗けるタイプの道具で、つまりだだ漏れ。往々にして「自分に都合のいい夢」を見ている私にはちょっと活用は難しそうです。
「夏の記憶」 ( 湘南ゆうき村・湘南だいち / 施設長 妹尾 貢 )
子どものころの夏の記憶は、大人になって久しい現在でも、自分の季節感に影響している。
キャンプ、虫取り、魚釣り、自転車で遠出、親戚の家で食べるスイカ、ラジオ体操
特にテニスファンでもないのに、夜更かししてテレビで見る、ウィンブルドン(レンドル、マッケンロー、ナブラチロワ)。
小学校高学年から、中高校生の夏は、水泳一色だった。
現在の子どもたちにとっては、この夏はどんな風に思い出されるだろうか?
コロナ対応に限らずヒトは、そのときどきで成しえるベストを考え、対応してきただろうと思う。
が、そのことは、時間がたってみないと評価が定まらないこともたくさんある。
我々の仕事にしても、そのときにベストと思うことに取り組むが、はたしてそれが長期的にみてどのように作用するのか、分からないこともある。
例えば、通所施設では、良かれと思って「ドアトゥドア送迎」の体制を整えるよう努力しているが、そのことが利用者から、交通機関を利用する機会を奪い、地域の人との関りが減る方向に作用してしまう現実がある。
地域社会の崩壊が叫ばれて久しいが、そのことも、日本社会が何かと引き代えに、選び取ってきたことではなかったか。
そんな状況でも、人がともに生きていくための方法を模索したくて、この仕事を選んだのではなかったか。
「頭を冷やせ! 一方で、魂の炎を燃やし続けろ!」
社会福祉領域のみならず、さまざまな分野で語られる言葉である(冷静な頭と温かい心、のほうがポピュラーか)。
自分にとって、大切な言葉である。先の見通しが悪くても、前に進むためのエネルギーを大切にしたい。
(試合中のマッケンローにも、言ってあげたい言葉である)