お知らせ

利用者、ご家族、職員等の皆さんへ

法人事務局

世界中に感染が広がり、経済活動を犠牲にして防止策を優先し、ようやく日本でも緊急事態宣言解除に至りました。この間、藤沢育成会の事業を継続させることが出来たのは、利用者、ご家族、職員一同の自粛生活、ご尽力が最大の要因と深く感謝申し上げます。

しかし、新型コロナウイルスを絶滅させることが出来たわけではなく、その正体も少し判っただけで解明の努力は続きます。有効な薬が出ましたが新たな治療薬が開発されたわけではないし、ワクチン製造の可能性もまだ兆しでしかありません。

それゆえ緊急事態宣言解除は"新しい生活様式"が条件で、生活の変化を模索する時間の始まりと言えます。だから感染を遮断するのではなく共存が課題です

障害福祉サービスは、間違いなく3密状態です。これまで支援は、密接=親密が良いと考えられてきました。しかし"3密回避"は違う方法を探そうということです。

人は親密な関係でもひとりの時間がないと気が休まらない。常に一緒だと息苦しく、うっとうしくなります。ところが遠方の家族との電話や手紙、メールに心温まります。不満はないが普段と違うことをしたくなりますが、支援の場は極力変化を避けて安心・安全を求めてきました。しかし今は"密"を避けた"新しい生活"が求められています。

子どもの頃から、みんなと同じ角度で見るように教わりました。だから、誰もが同じ方向を向いていないと、妙に不安な気になり、悪いことをしているような気さえします。でも、これまで通りでは第二波、第三波の恐怖はぬぐえません。だから私たち自身が考え、仲間と共に"新しい生活様式"を生み出さなければなりません。

忙しいと、なぜ、どうして...と考える暇がありません。でも、身体接触ではなくても心は通うと意識した"新しい生活"を見つけたいものです。みんなやっているからではなく、自分にとって必要なことは...。これまで当たり前だったことも、今必要か...。出来ないではなくて、どうしたら出来るか...と、たくさんのことを試してみましょう

"これ以上どうしたらいいんだ!"と言いたくなるのも判りますが、この状態が始まった頃も"どうしたら良いんだ!"と思ったものです。人はこれまでと違うことを求められると不満を言いたくなるようです。

人類の歴史は、得体の知れない病魔との闘いでもあります。これまでもパンデミックに至ったことは何度もあります。その中で公衆衛生の重要性を学び、生活習慣を見直し克服してきました。だから緊急事態宣言から脱したことを喜ぶだけではなく、"新しい生活様式"を生み出すチャンスと考えたいものです。

そして、それが誰もが当たり前に暮らす「インクルージョン藤沢」や「それぞれのマイライフ」へ、たくさんの"芽"を育てる時だと考えましょう。そして、今一度、思いを寄せあいながら事業の継続、さらに新たな道を創るために皆様の"新しい生活様式"への努力、協働をお願い申し上げます。

           2020.5.28 社会福祉法人藤沢育成会 理事長 石川 修