あの夕日 (ぱる・佐藤  貢)

 

satou110311_172538.JPG まずは東日本大震災の被害にあわれた方々に心からお見舞いを申し上げます。
 地震があった時、みらい社はちょうど一泊旅行の最中でした。全員が駐車場のバスの中で出発を待っている時で、しかもその駐車場は高台にあって大きなゆれを感じながらも比較的安全な場所に居たといっても良いでしょう。ホテルでは次々と入ってくる情報に心を痛めながらも安心で安全な一夜を過ごすことが出来ました。翌日は無事に帰ることが出来るか心配でしたが、ホテル側が何かあった時にとおにぎりを用意してくれ、笑顔で送り出してくれました。旅行会社は急遽の変更にもかかわらず全員が昼食を取れることの出来る場所を手配してくれ、運転手さんは緊張の中、常に私たちを気遣いながらより安全なルートを親身になって探してくれました。立ち寄ったお土産屋さんは事情を聞き、私たちにおかしの差し入れをくれました。私の元にも沢山の方々から心配や激励のメールが届きました。これは私自身にとっても大きな支えになりました。沢山の善意や勇気に支えられて私たちは無事に帰ってくることが出来ました。
 写真はその時ホテルから撮った夕日の写真です。全員が無事に今ここに居ることへの感謝、もしかしたら40人以上の人の命を預かることになるかもしれない責任の重さ、いまだ連絡の取れない自分の家族への心配、被災地の悲惨な状況、複雑な心境で美しい夕日を見ていました。おそらく私はあの夕日を生涯忘れることはないでしょう。
 私に出来ることは数知れませんが思いつく限りの支援を考え、なによりもその気持ちが被災地に届くことを信じて日々の生活を考えて行きたいと思います。もうすぐ桜の季節。下を向いていたら美しい桜に気付く事すら出来ません。まっすぐ前をしっかり見て歩もうと思います。皆さんと共に・・・。

※この原稿作成時、佐藤貢はみらい社施設長で、2011年4月にぱる所長に移動しました。

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