「夾竹桃(キョウチクトウ)は白い花」~今年の5月の出来事を思い出して~(湘南セシリア・河原 雄一)
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未曾有の大震災から半年が経ちました。神奈川県では宮城県石巻市を中心に県内の知的障害者施設の132名の職員が被災地支援に入り、73日無事ミッションを終えることが出来ました。

 

さて、前々回の施設長日記「転ばぬ先の杖」で、今年5月に広島に出張したことを書きました。

研修会場から、広島駅まで歩いて5分位の場所でしたが、大雨で、傘をさして歩いて行くことが出来なったので、タクシーを拾い駅まで移動しました。

運転手さんの名前は忘れましたが、ご年配の男性で、シートの自己紹介に詩吟が趣味と書いてあるのは覚えています。

 

乗車後、お決まりのように、「これからどこまでお帰りですか?」の問いに・・・「神奈川まで」と答えました。

「神奈川は震災は大丈夫でしたか・・・?」と、会話の流れで震災の話題になりました。

 

神奈川県、特に藤沢は、ほとんど震災の影響はなかったこと。震災後の計画停電が大変だったこと等、世間話をしました。話題は、津波の事から、福島の原発の話しになりました。

「報道されている範囲では、原発事故の放射能が、福島県の生活に大きな影響をおよぼしておること・・・その影響が関東に電力不足になっていること。放射能の影響が福島県以外に神奈川にも及んでいる・・・こと。」など話しました。

 

話しがひと段落したあと・・・

「広島も原爆投下後、向こう70年以上、草木も生えないと言われてましたね・・・」と私が話すと、「今でも、広島も土を掘れば放射能がでるかもね・・・」と運転手さん。

数秒後に運転手さんが、「原爆が落とされたあとも、夾竹桃(キョウチクトウ)は白い花を咲かせ、広島の復興のシンボルと言われてるんですよ・・・。広島市の花です。楠の木も原爆で枯れなかったんですよ。」と・・・。

広島は、仕事で数回行きましたが、このような話は初めて聞きました。(地元の方々は当然知っている話だと思います。)

たった、数分位の運転手さんとの会話でしたが、被災地に伺ったことの経験などの思いが入り混じり、なんか、とても、心に残っています。

 

日本は、戦争や、阪神淡大震災など、これまで多くの苦難を経験してきました。

 

今回の大震災をきっかけに「この国のありかたを根本から考えなおさなくてはいけない。大きな岐路が求められる。」と政治家や学識者の先生方は述べています。が、未だ、被災地の復興は遅れています。

 

どの時代、どんな苦難に遭ってもこの国を支えてきたのは、一所懸命行き抜いてきた多くの市民の力があったから今があるんだ・・・。

タクシーの運転手さんの話しや被災地で復興に力を注いでいる方々の姿を通じ改めて感じました。

 

「がんばろう!!日本」・・・OKです。

個人的には「一所懸命、生きよう・・・日本」と思っています。

 

私は、震災から今日まで、被災地支援の調整など色んなことがありましたが、震災後半年経った今は、普段の仕事をしています。

 

半年経った今だからこそ、被災地支援や広島のタクシー運転手さんとの会話で感じたことを「風化」させないようにとの想いからこんなことを書きました。

 

改めて、大震災でお亡くなりになられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げます。

 

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