(障害者福祉の制度改革について思うこと)
政権が変って、障害者施策の見直し議論が始まって2年半が経ちました。色々物議を交わした「障害者自立支援法」は廃止を原則に、「障害者制度改革推進会議」の部会として「総合福祉部会」が設置され、今後の仕組みについて55人の部会員の方々が熱心に議論を重ねました。8月30日に「総合福祉法の骨格提言」が出されたことはご承知のことと思います。
今年に入り「厚労省はどうも、自立支援法改正程度で法案を出しそうだ。」など噂を耳にし始めました。個人的には「まさか・・・でも、国はやるかも・・・」と思いつつ、事の推移を見守っていました。
2月8日に開かれた総合福祉部会では、骨格提言に対する厚生労働省案が提示されました。自立支援法の名称を変えることや対象者を難病の方々に拡大するなど、少し手直しはありましたが、ほとんど自立支援法をベースにした「廃止とは程遠い」案でした。「まさか・・・」が現実となってしまいました。
今回のような決着の仕方、政権与党のやり方は、沖縄の普天間基地問題と同じような対応をした印象を強く受けます。大風呂敷を広げ、期待を持たせるのと、掛けた梯子を外すことと・・・政権与党は、国民の期待を裏切るのが得意なようです。制度改革には、色んな意味で長期的に安定した制度設計を期待したのですが、あまりにも早急に事を進めコケてしまった感も強く受けます。
2月22日に政権与党と国は、2月8日案を一部修正し法律名を「障害者総合生活支援法(案)」を出し、最終的には、2月29日には「障害者総合支援法」を今国会に提出するようです。内容は自立支援法の改正に留まる程度です。
(・・・理想と現実の狭間で・・・)
今回の法案提出の背景の一つに「制度を大きく変えることでサービス事業所の混乱を避けるため。」と言う意見が聞かれました。
振り返ると長かった措置制度が2003年に終焉を向かえ以後10年。短期間に支援費制度から障害者自立支援法など大きな制度変更があり、その都度、利用者・家族の方々、事業者は制度変更に翻弄され、少々腰が落ち着かなかったのも事実です。
現に、今年4月からは、児童福祉法が大きく改正されます。また、自立支援法も一部改正があり、相談支援事業の仕組みが大きく変ります。報酬単価も改正されます。このことをだけをとっても事業者は、法律改正に合わせて相談事業の指定事務や折衝、報酬改定に伴う書類の提出・請求事務の変更など多くの事の変更手続きを求めされるのも事実です。
制度が良くなっていくための変更であれば、積極的に行うのですが、一年半後にまた、がらがらポンして、制度が大きく変ることとは、大変と言えば相当大変です。
理想・理念は大事ですが・・・事業所として現実をどう考えるか・・・。良くも悪くも、今回の制度改正が前述したような決着になりそうなので、振り返って考えたもの事実です。
・・・「河原君の考え、ちょっと後ろ向きだね・・・」そう言う声が聞こえて来そうです。
・・・春は、人など色々な事が動く時期です。季節の変わり目に心がジンジンすることもあります。(人間ですから・・・色々感じることも多々ありますよね。)
また、この文章を書いている今日、法人にとって「まさか・・・そんなことが・・・起きるのか」という事があったり、等など・・・たまたま、色々重なって、少し心が意地悪になっているのかも知れません。その辺りはお許し下さい。
次に日記を書く頃には、色んなことも見えて、落ち着いていると思います。
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