イマジン(みらい社・植村  裕)

イスラム国によるヨーロッパでのテロや人質殺害の凄惨なニュースが毎日報道されている。宗教的な対立や国家間の対立は歴史的な背景があることは理解できるが、テロに対するやるせない憤りや悲しみを禁じえない。

ジョン・レノンの「イマジン」を思い浮かべてみた。1971年に発表されたこの曲は宗教・国家・所有欲から生まれる対立や憎しみは無意味なものであり、人々が分かち合える平和な世界を想像し、共有すれば世界は変わると訴えた。当時、共産主義的な思想である、とか反宗教的であると批判も上がったが、若者を中心に多くの人々が共感し支持した。おりしも米国ではベトナム戦争が激化、泥沼化し、強者が正義であるという神話が崩壊し始めていた。この曲にはジョンの平和運動家としてのメッセージや平和や人類愛に対する思いがこめられていて、現在も平和を願う歌として唄い継がれている。

1980年12月8日ジョンは凶弾に倒れた。今でもはっきり覚えているが、当時会社務めをしていた私は社員食堂で昼食を食べていた時、食堂に流れていたテレビニュースで彼の死を知った。彼の突然の死はショックだった。しばらく、はしを持ったまま茫然としていた。小学校の頃からビートルズの曲を聴いていて、メンバーのなかでもジョン・レノンが一番好きだった。

初めて「イマジン」を聴いてから随分長い時間が過ぎた。しかし世界は少しも変わっていないようだ。ジョンの描いた平和な世界はいつ実現するのだろうか。

John-Lennon1.jpgのサムネール画像

ページトップへ

過去のお知らせ

2015年1月
1 2 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31