社会福祉法人　藤沢育成会

2015年07月21日

富士山の見える限界地点の西限は和歌山県那智勝浦町の色川富士見峠、北限は福島県の日山、南限は八丈島三原山だそうだ。色川富士見峠は最も遠く322.9ｋｍも離れている。私は生まれてからずっと富士山の見える場所で生活してきた。小学校から高校までは東京で育ったが、小学校の校歌の「富士遠く雲にそびえて」という出だしを覚えている。東京から見る富士山は藤沢からと比べて小さく見えるのだが、折に触れ富士山を眺めていたように思う。四季により姿を変え、朝夕と美しさを変える富士山はこども心にも魅力的であった。また、曇っていたり、霞んでいたりと、なかなかきれいな姿が見ることができないので、はっきり見えた時はとてもうれしく、運が良いと感じる。そして誰も富士山の美しく見えるポイントを幾つかご存じであろう。

富士見町、富士見坂、富士見橋など各地に富士山に因んだ地名がつけられているように、古くから人々に愛され、親しまれている。一方、人々をいつも見守ってくれる存在であり、畏敬の念を抱く存在であることから、富士信仰につながっているのではないか、と思う。

私の家内は富士宮市の出身で初めて実家に行ったとき、街から見える富士山の大きさに圧倒された。そして富士山が様々な面でこの街の人々の生活の中心にある大きな存在であることを知った。家内は富士山の見える台所のある家で暮らしたいと言うが、その夢はまだかなえられていない。