最近感じることから~普段使っている言葉に拘りました~(湘南ゆうき村・相談支援プラザ 河原 雄一)

平成28年新年度も2か月が過ぎようとしています。皆さん、新しい環境に馴染んで元気にお過ごしですか・・・。

さて、最近色んな人との会話をしている時の言葉がやり取りで、普段使っている言葉が正確に使われているか・・・その言葉の意味をしっかり理解しているのか・・・ちょっと疑問に思うことがありました。・・・ので今回の施設長日記は言葉に拘って、その意味を調べてみました。

 

1・やぶさかでない

 これはある人に役割をお願いした時に「やぶさかでない。」と返答をもらいました。その返事を「仕方なく、やむ負えなく引き受ける」と消極的な印象を私は受けたのですが、相手の方もそれなりの人生経験を重ねた人なので改めて「やぶさかでない。」を調べてみました。

〇「やぶさか【吝か】」の意味は、「物惜しみするさま。けちなこと。未練なさま。思い切りの悪いさま。」だそうです。「やぶさかではない」とは、「・・・に―でない」の形で)・・・する努力を惜しまない。ためらうことなく,・・・する。「過ちを認めるに―でない(「広辞苑 第6版」平成20年・岩波書店)です。

したがって「やぶさかではない」は、何らかの物事や行動について「喜んでする」,「努力を惜しまない」という積極的な気持ちの表れとして使う言葉だそうです。 

ちなみに、平成25年度の「国語に関する世論調査」で,「協力を求められればやぶさかでない。」という例文を挙げて,「やぶさかでない」の意味を尋ねました。結果は、本来の意味の「喜んでする33.8%」より「仕方なくする43.7%」が多かったです。わたしの理解が違っていたことに気が付いて勉強になりました。

 

2・魚心(うおごころ)あれば水心(みずごころ)

この言葉は、私の父の母(私の祖母)が生前父に話した言葉で印象に残っているようです。「魚心(うおごころ)あれば水心(みずごころ)」は、時代劇で「悪代官と悪商人とのなれあい、悪事についてのもちつもたれつ」のように使用され、けっしていい関係でない印象を私も持っていました。・・・調べてみました。

〇本来の意味は「相手が好意を示せば、自分も相手に好意を示す気になる。相手の出方しだいでこちらの応じ方が決まること。」です。

決して悪い場面での使い方ではないようです。亡くなった祖母は父に好意をもって接して欲しかった思いからこの言葉を使ったかもです。

 

3・「頑張る」

 新年度に入り「新しい体制で頑張りましょう!」とか「頑張る姿勢が大事」などよく耳にする言葉です。私自身「頑張る」については以前からその意味に気を使っていたので改めて調べました。

〇「頑張る」意味(大辞林)

・がんばる【頑張る】〔「頑張る」は当て字。「我()に張る」または「眼(ガン)張る」の転という〕
①他の意見を押しのけて、強く自分の意見を押し通す。我をはる。②苦しさに負けずに努力する。③ある場所に座を占めて、少しも動こうとしない。「守衛が―・っている」

というように「頑張る」は「自分の主張や考えを押し通す」意味があります。「自分の主張を押し通す場面」で「頑張る」気持ちは大事ですが、常日頃から「我を押し通し続ける」のは何となく独りよがりな印象を受けます。そのような点から、私は「頑張る」より「全力を挙げて物事をするさま。」である「一生懸命」を用いて「一生懸命やりましょう!」と職員などに伝えています。

 

4・信用」と「信頼」

年度当初、職員との関係や人間関係等、色々場面等でよく耳にします。果たして私もその言葉の意味をしっかり理解して使っているか多少疑問を持ったので、改めてこの言葉の意味と使い方を調べてみました。

    信用:信じて任用すること。信用とは、何らかの実績や成果物を作成して、その出来栄えに対しての評価のことをいいます。そのため「信用」するためには、実績や成果物が必要不可欠なわけです。この実績や成果物といった、過去の業績に対して「信用」するのです。

    信頼:信じて頼ること。「信頼」は、そうした過去の実績や業績、あるいはその人の立居振舞を見たうえで、「この人ならこの仕事を任せてもちゃんとしてくれるだろう」とか「この人なら私の秘密を打ち明けても大丈夫だろう」などと、その人の未来の行動を期待する行為や感情のことを指します。もちろん「信頼」するためには何らかの根拠が必要ですが、その根拠を見たうえで、未来を「信頼」するというわけです。

もちろん「信頼」するためには何らかの根拠が必要ですが、その根拠を見たうえで、未来を「信頼」するというわけです。

(谷 誠之さんのブログから引用:IT技術教育と対人能力教育に従事して約25年。「ITと人間関係はビジネスの両輪である」を合言葉に、日夜東奔西走している方です。)

なるほど、「信用金庫」があっても「信頼金庫」が無い理由が少しわかりました。

「信頼」してもらうためにはまず「信用」が大事なことも分かりましたし、「信用」が無いと「信頼」を得るのが難しいことも分かりました。

仕事においては、新しい環境・人間関係の中では人を「信用」する、得るための努力と「信頼」するための「仕事のプロセスと未来への期待感」が大事だと思いました。

今年はこうした普段使っているけど使い方を間違えている「言葉」にちょっと拘りたいです。(筆者 合掌)

 

▼2016年4月湘南ゆうき村の目標

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