幸せや豊かさは、「獲得するもの」ではなく「感じるもの」であり、感じる力、感性があるかどうかが問われているのだと思います。
女房の父は、会社の社長をして一時期裕福でしたが、お金に対する執着は全然なく、偉ぶったり怒ったり愚痴を言ったり、ということも全くない人でした。
倒産しかかった時も、大金を騙し取られた時も、人を恨むこともなく、「大丈夫、何とかなる~」「俺は幸せだな~」と言うのが口癖でしたし、晩年、初めて回転寿司屋に行った時は「こんな高級な寿司屋があったんだ~。友達にも教えてあげよう」・・・、初めてスターバックスに行った時は「ニューヨークに来た気分だな~」・・・と、何事にも感動できる人でした。
ただ、晩年、少し認知症になり、介護する義母のことが分からず、「君はやさしい看護婦さんだね~」とか「あなたは立派な先生ですね~」とか言っていたのですが、その後に必ず「でも、美人じゃないね~」と付け加え、言われた義母は苦笑していましたが・・・。
私は、義父との付き合いで一度も嫌な思いをしたことがありませんでしたし、92歳、大往生で亡くなった時も、「義理ではない仕事抜きの人の集まり度で、人間の真価は問われる」と言われる通り、リタイアして30年以上経っているのに、式場の通夜・葬儀に出席できるにも関わらず、100人以上の方が通夜前の自宅に弔問に来られ、周りの人から慕われる人柄が偲ばれました。
私も真似して「幸せだな~」と言うと、娘から「自分に無理に言い聞かせてるの?」と言われるのですが、義父の「幸せだな~」は自然でした。
女房に言わせると「物事を深く考えない、ノー天気なだけ・・・」ですが、義父は、私が今まで出会った中で、最も前向きで、「どのような状況にあっても、幸せを感じる力」を持った人でした。
2011年3月から、約2ケ月に一度、このブログで、幸せや豊かさについて思うところを書かせて頂いてきましたが、月並みながら、やはり、幸せは「感じるもの」だと思います。
努力によって目標をクリアして獲得する「幸せ」もあると思いますが、義父を見ていて、幸せは「いつか獲得するもの」ではなく「いま感じるもの」であり、感じる力、感性があるかどうかが問われているのだと教えられました。
現実をすべて甘んじて受けるべき・・・とは思いませんし、不平等なこと、理不尽なことに対しては毅然として戦っていくべきだと思いますが、以前ご紹介した福島智さんの言葉・・・「生きる意味を自分の味方にできるかどうかは自分次第・・・、究極の敵は自分です」は、座右の銘の一つです。
世の中の理不尽さと戦う『勇気』と、「苦しみの後に喜びがあるのではなく、苦しみの中に喜びがある」と思える『タフさ』、そして、幸せを感じる『感性』を、併せ持ちたいと思っています。
(感謝をこめて・・・完)
▼還暦になった日に、孫と・・・、至福の時・・・。
私を見て大泣きする人見知り期は過ぎましたが、残念ながら、ツーショットでは笑顔はありません。
今まで月2回位でしたが、今後会える頻度は減りそうです。
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