人のやさしさ(湘南セシリア・みらい社 伏見康一)

年末年始の間、石川県にいる義姉家族が帰省していた。いつもは義兄の運転により車で来るのだが、今回は義兄が仕事の都合で来られず、甥子2人と義姉の3人が飛行機で来ていた。帰省の間うちの家族と共に過ごし、12日の帰郷の際も、うちも一緒に羽田空港まで送りに行ってきた。

 早めに到着したので、空港内でお土産を買ったり、食事をしたりして過ごし、いよいよ飛行機出発の時刻となった。

 せっかく空港まで見送りに来たから、と我が家族は展望デッキで、搭乗機が離陸するところまでを見送る事とした。余談ではあるが初めて展望デッキで飛行機の離着陸を見たが、あらためてこんなに頻回に離着陸しているものなのか、と驚いた。よくぞ事故が起きないものだとその管理や技術に感嘆した。

 さて、当該機も飛び立ち、きっと小松空港まではあっという間についてしまうんだろうな、雪は大丈夫かな、などと話しながら展望デッキを後にしたとき、妻が自身のイヤリング片一方がなくなっていた事に気が付いた。

 展望デッキを隈なく探したが見つからない。ならばと来た道を辿って落ちていないか探したが、やはり落ちていない。さっき皆で一緒に撮った最後の写真を確認するとイヤリングは両方とも付いている、撮影後に落ちたものだと分かった。

 だが、もうどこで落としたのかは皆目見当が付かない。もう諦めて帰ろう、でもダメ元で受付で聞いてみよう、とちょうど通りがかった受付でイヤリングの落し物がないかと聞いてみた。すると即答で「ありますよ」とのこと。偶然にもこの受付に届けられていたのだった。聞いてみると受付近くのお店の前に落ちていたのを拾って届けてくれた方がいたとのこと。人混みの空港内に落ちているイヤリングの片一方なんてとても小さい。それでもわざわざ届けてくれた方がいたのかと思うと、感謝の思いでいっぱいである。そして人の温かな優しさが心にジーンと沁みてきた。

ちなみに翌日行った初詣で妻が引いたおみくじには「失せ物...遅れると出ず」とあった。やはり受付で聞いてみて良かった。

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