新しいスーツに身を包み颯爽と街を歩いている新入社員らしき人を見ると、こちらの気分まで若返った気がしてきます。
初めて会社勤めというものを経験するのですから壁にぶつかって悩んで、挫折して地べたに落っこちても、元々がゼロはゼロだったという未経験者特有の強みが、彼らにはあります。これが怖さ知らずの若者の特権というものでしょうか。
さて、働き方改革の議論がいろいろなところでなされています。国の総人口が減少することから労働力人口も減ることが一番の理由だということですが、在宅勤務を増やす企業が出てきたり、子連れで働ける会社があったりするようです。
20年ほど前には日本の長時間労働が問題になり、年間総労働時間を減らそうという動きがありました。あまり成功したという実感がありません。ここ20年間の年間総労働時間は2,000時間で横ばいだそうです。
山本夏彦さんがコラムに書いていましたが、戦前は個人事業主ばかりだったのが、戦後、零細企業が増えていったのは一にも二にも税金対策の由。こうしてサラリーマンが労働人口の大勢をしめていったという構造的な問題も大きいと思います。
構造的問題と言ったのは、裁量労働制という議論がそうですが、サラリーマンが増えて月給あるいは時給という時間軸で均一に労働力を計量したことからきた弊害が、経験年数による昇給や評価制度の導入などでは修正しきれなくなったとも考えられます。
なんだか理屈っぽくなって、期待に胸を膨らませて入社式を迎えた若者には水を差すような話になってしまいました。
一番言いたかったことは、働き方改革は政府に決めてもらうようなものではなく、一人ひとりの生き方に関わる、もっと根本的な大切な問題ではないかということです。
以上
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