「犬猿の仲」も個性に合わせて

▼ヘンリーと野良猫スミ

1102ヘンリーと野良猫スミ.JPGのサムネール画像今朝、いつものように犬と一緒に散歩をしていると、いつもの場所でノラ猫が現れ、しばらく一緒に歩いて、いつものようにおやつを一緒に食べました。
私の犬はヘンリーという名前ですが、実は時々山梨県の方に行って、サルを追い払う犬を扱う技術を学んでいる農家のための研修をお手伝いしています。
近年全国的にニホンザルが増え、里に下りてきて農作物を食い荒らす被害が激増しています。甲府盆地では主産物である桃やプラム、夏季などの果物が狙われて毎年1億円以上の被害が出ています。
この地方の市町村長から頼まれて、7市町村が協力して取り組んでいる鳥獣被害防止のお手伝いをしているのですが、サルを追い払うにはやはり「犬猿の仲」という言葉もあるように、犬が良いということで、地元の農家の方々が普段飼っている犬を使えるよう、訓練会を始めて4年目になります。
今ではちゃんと犬を扱えるようになった農家は被害ゼロということになり、成果が上がっているのですが、この犬の訓練の中で一番力を入れているのが、サルを追い払うために放した犬が、飼い猫や鶏などのペットや家畜、ましてや人間に危害を与えないようしつけることです。

 

▼サル追い払い作戦出動準備

P1010513.JPGサルは追いかけるけれど猫や鶏、人には友好的なしつけが犬にできるということを知ってもらうために、まずヘンリーにしつけをした結果、最初に書いたように散歩コースにいる猫と仲良しになったという次第です。ヘンリーも今では老犬になり、サルを追い払うために山を走り回るような活動には参加できなくなっても、猫や鶏には優しい態度をとる模範演技でお手伝いしているということです。
農家の方々の研修を受け持っているインストラクターの教えている様子を見ていると大いに勉強になります。犬のしつけの基本は「感情に任せてしからない、暴力は絶対ダメ」、「良いこと、期待していることをしたらうんと褒める」、「犬の性格や運動能力など、個性に合った方法で訓練する」、「犬が次に何をするか予想して、先手を打ってコントロールする」などです。このためには犬を注意深く観察し、物言わぬ犬の意思を理解しながらコントロールすることが必要です。つまり飼い主である農家の方々は犬を十分に理解しながら、犬ができることを無理なくやらせる技術を身につけることで、初めて犬を使ってサルを追い払う仕事をすることができるということです。欧米では牧羊犬や猟犬、盲導犬や介助犬など様々な分野で犬を利用していますが、それぞれの分野での仕事に適した犬の品種を作り、コントロール技術を発達させて、犬を仕事のパートナーにしているのです。

 


 

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