世界遺産もサステイナブル

日曜日の朝、コーヒーを飲みながら新聞を読んでいたら、ちょっと興味を引く記事が目に留まりました。今年のユネスコの世界遺産では日本の小笠原、平泉が登録されましたが、コロンビアのコーヒー産地もユネスコの世界遺産に指定されたという記事です。

コーヒー産地ではすでにキューバがコーヒー生産発祥の地ということで登録されていますが、今回コロンビアの産地が指定された理由は「持続可能かつ生産的な文化的生産風景の並外れた例」ということです。

コロンビアのコーヒー生産は100年の伝統を持っていますが、かつては収穫されたコーヒー豆の洗浄水による水質汚濁、季節労働者の労働条件の悪さ、時として反政府組織の資金源としてコカインの原料となるコカ生産を副業で行っていたなどの問題を抱えており、生産が不安定でコーヒー豆の乱高下の原因ともなっていました。これに対しコロンビア政府は前政権の時代から治安対策に力を入れるとともに、コーヒー生産の労働条件を改善し、子供たちのための学校を作ったり、零細農家に対して環境汚染の少ない農法を指導するなどして安定した産業にすることで、コカ生産に依存する農家を減らす努力をしてきたようです。

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農園と周辺の景観も良くなり、中南米では農耕神の使いとされているものの、今では幻の鳥と呼ばれるほど少なくなってしまったケツァールという美しい鳥も見られるようになり、コーヒー園を中心に、周辺の森や川・滝をめぐるエコツアーもできるようになっているそうです。

今回の文化的生産風景としての世界遺産指定は、このような取り組みによって環境的にも経済的にも持続可能なコーヒー産地として生まれ変わったことが評価された結果です。

「品質の良いコーヒーを生産する生産者や環境を守るためなら、値段の高いコーヒーを買っても良い」という消費者が消費国で増え、生産地の努力を後押ししていることも今回の登録の背景にあるようです。

サステイナブルコーヒーの生産量はまだほんの数%程度ですがこの5年間で4倍に増えており、日本でもスターバックスなど、独自の基準を設けたり、認証マークを掲げるカフェや小売店が増えてきました。

最近、食の安全に対する意識が高まり、サステイナブルな農産物に対する消費者の関心が高まっています。世界遺産というほど大げさでなくても、このような意識を持って取り組むことで、手間ヒマかけられない大量生産型農業とは違ったやり方で、安全な食品を提供できるサステイナブル農業は、私たち障害福祉法人が取り組むのにふさわしい仕事の仕方ではないでしょうか?

 

※写真は、自然と調和したコーヒー園

(加藤珈琲店ホームページより拝借)

 

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