縁尋機妙のお話し

藤沢育成会のニュースレター、モデラートで毎回掲載される私の随筆のタイトルは「縁尋機妙」です。意味は人の縁というのは実にうまく働いているという趣旨で、だからご縁を大切に、ということです。

 

▼設計者の中村勉さん

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土曜日の午後、木造のユニークな学校があるというので、「七沢希望の丘初等学校」の見学に伺いました。この学校はできて4年、七沢浄水場の近くの小高い丘にあり、生徒23人、職員は校長、副校長を入れて6人、という小さな学校です。


まず建物の話を伺う前に副校長から学校のお話を伺いました。この学校はソニーの井深さんが作られたソニー学園の内田理事長の理念を受け継いだ大変ユニークな学校です。1年生から4年生まで一緒に学ぶノングレード方式で、4つのグループに分かれてテーマを持って、年代を超えた社会性と実践力、学ぶ力をつけるそうです。障がいのある子も、みんなと一緒に学べる児童は同じグループで学ぶ統合教育です。


▼自然に溶け込む木造校舎

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教育の内容も興味津々のユニークなものでしたが、この日の本題は、第7回リーフ賞の持続可能な開発部門賞を受賞した、学校建築です。設計は中村勉氏で、校舎は県内産の木材をふんだんに使用し、自立型エネルギーシステムとして地中熱と木質ペレットを活用し、排水も敷地内で処理するなど、サステイナブルな建築物として評価され、2010年に建築界では有名なリーフ賞(英:The LEAF Awards)を授与されました。この賞は次世代の基準となる作品を評価し、建築デザインの発展を目的として表彰する国際建築賞です。4年に一度世界を代表するヨーロッパの建築家(ヨーロッパ主要建築家フォーラム:Leading European Architects Forum、LEAF)が集まって、評価委員会を開き、受賞者を決めるものです。

 

▼県産材をふんだんに使った気持ちのいい空間

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中村さんは何年か前から勉強会でご一緒したりしていたのですが、この日は私も中村さんも集合時間より30分も前に学校に着いたので、四方山話をしていて驚いたのが冒頭の縁尋機妙の話です。実は中村さんは世界的に有名な建築家槇文彦先生門下で、40年近く前に私が観光地や市街地で「カンコロジープロジェクト」という散乱ごみ対策の研究をしていたころ、槇先生や槇事務所の社長から「カンコロジー」は面白いプロジェクトだから見てくるように言われて、プロジェクトのフィールドワークの現場にも見えられたことがあったそうです。

 

▼幅広の階段が文字通り階段教室に

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三つ子の魂百までというか、40年も前、まだ世の中がごみ問題や環境問題に関心の無かったころから、建築の世界にも環境を意識した同志がいたと知った有意義な土曜日でした。

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