週末を利用して故郷への貢献活動をしてきました。
私の故郷は瀬戸内海の周防大島。昭和22年には6万数千人あった人口が平成25年には1万9千人と1/3以下に減り高齢化比率は48%と過疎化高齢化の極みの島です。
ここで島を元気にするには地元の力で取り組もうという事で起業プロジェクトが始まったのが5年前、「島スクエア」プロジェクトです。聞きようによっては「島救えや」プロジェクトという事です。地元の商船高等専門学校が起死回生の地域貢献事業として取り組み始めたのが5年前、今年の3月で事業は完了ですが、この間起業を志す受講生が200人近く受講し、基礎コースから企業実現に向けた応用コースまで熱心に学びました。
この中からすでに48名が起業し、活動を開始しています。
受講生は20代の若者から70代の高齢者まで、過疎・高齢の地域らしく地場産業ならぬ「じいばあ産業」を目指す意気軒昂のお年寄りも少なくありません。
▼島スクエアフォーラム
私は協力いただいた企業経営者数名と専門家で構成した「評価委員会」の座長を拝命し、起業プランの評価とアドバイスをさせていただきました。
この事業は全国の大学が応募して進められている通称「大学GP」プロジェクトでGPとはGood Practice事業で、5年前に採択された20余の大学の中ではこの商船高専の企画は最下位で採択されたのですが、3年経過後の中間評価では上から2,3位という高評価で、参加者一同胸を張って完了という事になりました。
▼研修修了生による起業プレゼンテーション
2月2日は島スクエアフォーラムが開催され、午前中に周防大島町を含む1市4町の地元企業経営者の技術交流研究会が開催され、午後は最後の卒業生の代表3名の起業プレゼンテーションがあり、私にも終了記念講演の大役が回ってきたので「ソーシャルビジネスでまちを元気に!」と題したお話をさせていただきました。3名の卒業生の起業プレゼンテーションはいずれも素晴らしいもので参加者の方々にも大変好評でした。このうち1名は、地元で親族が保育園や老人ホームなどを経営しており、保育士などの有資格者も多いという強みを生かして、子育て支援を軸に、障がい者、高齢者をも対象とした本物のインクルージョン事業をソーシャルビジネスとして地域で展開したいというものでした。
嬉しいことに島スクエアプロジェクトの可能性をもっと発展させようという事で、国(文科省)支援の事業終了後は周辺1市4町、山口県が今後引き続いて支援をしようという事になり、事後の事業を託すための仕掛けとして、島スクエア起業教育研究センターがスタート、担い手となるNPO法人 島スクエアネットも発足することになりました。NPOには商工会その他の地域団体も参加です。
▼盛況 冬の市
翌3日、日曜日の午前中は、最後の評価委員会、今後を見通した締めくくりにふさわしい素晴らしい遺言?が経験豊かな委員から次々と出されました。
このように過疎地は生き残りをかけて地域の人々が真剣な取り組みを始めています。わが藤沢市はこのような地域に比べ、はるかに恵まれた条件が整っていますが、地域のための地域発の取り組みはこれからどうなるでしょうか?
追記
夜帰宅して読売新聞の日曜版を見たら、民俗学者宮本常一と故郷周防大島の事が大きく取り上げられていました。渋沢栄一の後ろ盾で日本の離島を巡り、離島センターを作った「旅する巨人」宮本常一は私がこれまでかかわってきたまちづくり活動の北斗七星です。
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