モーガン邸の掃除のお手伝い

▼モーガン邸入口(NPO法人 旧モーガン邸を守る会ホームページより転載)

2012モーガン邸入口.jpg日曜日の午前中モーガン邸の掃除を手伝いがてら、モーガン邸を見に行きました。

J.H.モーガンは丸ビルの建設のために来日し、日本の文化・生活様式にも深い関心と認識を持って横浜などの洋館を設計したことで有名ですが、そのモーガンが昭和6年ごろから藤沢市内の大鋸に自分が設計した住宅に移り住んでいました。モーガンの死後人手に渡り、株買い占めなどで悪名をはせた?横井英機氏も別荘として使っていました。たまたま私の友人で、横浜山手に設計事務所を持つ建築家の菅さんが洋館の調査や復元の過程で、モーガンの藤沢の住宅を発見していたので、2005年にここが横井氏の債務整理のため手放された時、藤沢市と(財)日本ナショナルトラストによって取得することができたようです。

 

▼焼け残った玄関(NPO法人 旧モーガン邸を守る会 佐藤さん提供)
モーガン邸玄関.jpg現在この場所は「モーガン邸を守る会」の方々が管理し、毎月8日に一般公開をし、毎月第3日曜日に草取りなどの清掃も実施しています。詳しくはモーガン邸を守る会のウェブサイトをご覧ください。

(ホームページURLはhttp://homepage1.nifty.com/Morgan/index.htm

 

たまたまこの日曜日に時間が取れたので、清掃のお手伝いを兼ねてモーガン邸を拝見することにしました。2回の放火に遭ったとは言え、入り口の風格のある門はちゃんと残っています。
冬の掃除は落ち葉掃きと伐採した木や竹の整理、処理で私は切り株の片づけと孟宗竹をごみ出しのできるサイズにカットするお手伝いをしました。敷地内には孟宗竹の竹林や、雑木が生い茂っているので、緑の環境には恵まれていますが、その管理も大変そうです。

 

 

 

▼モーガン邸外観

130217モーガン邸外観.jpg

個人住宅ではスペイン風の明るい洋館を得意としていたモーガンも自宅に関しては自分の日本に対する愛着にもこだわり、暖炉の横を床の間にするなど、日本の様式にもこだわった落ち着いた家を作ったようです。2度の放火で外壁を残して内部は骨組の一部を残している状態なので、かえって内部構造などもよくわかります。地震の多い日本を意識したような、木造軸組みに鉄筋補強を取り入れた構造や、壁内の電気の配線には鉄パイプを用いるなど、昭和初期の個人用住宅としては技術的にも斬新な技術を取り入れていることがはっきりとわかる、興味深い建物でした。

 

 

 

▼子ども清掃

子ども清掃.jpg横浜市などではこういった建物を近代建築遺産として復元し、運営を民間に委託し、展示施設、レストラン、貸会議室などとして活用しながら保全することが積極的に行われていますが、モーガン邸もぜひこのような取り組みを進め、神奈川県下でも有数の規模の都市となった藤沢にふさわしい取り組みをしてほしいものです。

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