障がい者就農意見交換会

10月18日は藤沢障害福祉法人協議会主催で「障がい者就農意見交換会」が開催されました。会場は光友会の会議室(昼は食堂として使われている所)です。この日は農水省関東農政局経営・事業支援部から小田課長、関東ブロック障害者就農促進協議会から近藤会長のお二人に話題提供とコメンテーターとして参加していただきました。


冒頭の五十嵐理事長のあいさつでは長野県小布施町の社会福祉法人くりのみ園の紹介がありました。この法人では3800羽の自然有精卵養鶏と540aの無農薬農業に取り組み、地元の給食センターや地元企業に直販するとともに加工品の生産も行っています。


▼正面左から米村理事長、近藤会長、小田課長、五十嵐理事長

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次にゲストのお二人から話題提供で、小田課長からは農水省でも厚労省と連携して障がい者就農に力を入れ始めていること、農家でない人にも農業に関心を持ってもらい、関わってもらうために、「農ある暮らし」事業を始め新しい事業も始まり、社会福祉法人も使える色々な助成制度もあるので、来年度の公募情報などに注意しておくと良いとのコメントもありました。また近年企業の障がい者雇用義務比率も2%(公共団体は2.3%)に引き上げられる中で、特例子会社で農業に取り組む事例も増えているので、これらの動きと連携することも考えてみてはという事でした。


近藤会長は群馬県倉渕村でフラワービレッジと言う花作りを中心とした農業生産組合の事業に取り組んでおられます。近藤さんも息子さんが知的障がい者であったため、早期に商社マンとしての仕事をやめ、倉渕村で日本最初のクラインガルテンを仲間と一緒に立ち上げ、園芸福祉の普及に努めておられる方でもあります。近藤さんは障害者のリハビリとしての福祉園芸の意義と共に、社会的・経済的自立のためにも農業は大いに役立つこと、先進事例も紹介しながらこれからは農業の6次産業化を目指し、一般企業との連携も進めることが、事業の安定性や継続性を高めると話されました。今年の4月から公共団体が障がい者の生産品を優先的に買い上げることを義務付ける法律も施行されたので、障がい者農業もこのような動きに対応することも考えられるとのことです。
お二人の話題提供を受けて後は意見交換会です。今回は来年度以降の事業に関わる踏み込んだ話し合いをするため、関係者20人程度の少人数での意見交換会としました。


▼熱心な懇談が繰り広げられた

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法人協議会からは光友会、エール湘南、創、ひばりと藤沢育成会の5法人が参加しました。それ以外にNPO、農業(市民農園や有機農業)など障害福祉法人以外の団体関係者も参加しました。障害者乗馬でお世話になっている日大生物資源科学部の小林先生も市民農園や障がい者農業を研究テーマとして取り組んでいる博士課程の学生さんを連れて参加いただきました。


まずはそれぞれの取り組みや課題について意見交換をしました。
法人協議会では光友会とエール湘南はすでに農地を取得して事業を進めていますが、いずれも農業経験があまりない職員が熱心に勉強しながら試行錯誤で事業を進めています。ただし、周辺農家の方々の理解、協力も得られているとのことです。創、ひばりはこれから取り組みたいという事でまずは情報を得たいという事で参加されたようです。


障がい者も受け入れて有機農業に取り組んでいる農家の方々からは、「農業は天候にも左右されるので2年や3年でうまくいかなくても気にせずあきらめないことが肝心」と言うコメントもいただきました。「市民農園を広げる会」の岩田さんからは年間400名以上の障がい者や高齢者の体験農業の受け入れをしているとの紹介もいただきました。NPO「わがまち100」は藤沢育成会が六会地区経営会議と協力して実施してきた高齢者生きがい農業を発展させて、高齢者や障害者も受け入れ、交流することを目的とした新しい市民農園事業を農水省の「農ある暮らし」事業で取り組み始めていることが紹介されました。日大では栃木県馬頭町で、高齢化して耕作困難になっている農地を維持するために毎年3回、数十名の学生たちが援農に出かけていることが紹介されました。


丁寧な話し合いをするため少人数の参加者で話し合いをしましたが、あっという間に時間が過ぎて、もっと情報交換と共有を進めるために今後もこのような会を持とうという事で、光友会、藤沢育成会、エール湘南、NPOわがまち100、市民農園を広げる会などで今後の進め方について相談しながら進めることを確認し、意見交換会は終わりました。


意見交換会の後はすぐ隣で光友会が実践している農場の視察を行いました。この圃場は3反の広さです職員と4名の障がい者とで作業をする、野菜作りの畑としては広すぎるくらいの規模です。専従の職員の方は「まったくの素人で少量多品種の農業をしているのですが、試行錯誤の連続で失敗もします」と謙遜されていましたが、どうしてどうして、立派な野菜が育っています。作業をしている障害者の方も「畑仕事は楽しいです」とおっしゃっていました。

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