干し柿の季節

秋も深まってきて朝夕は肌寒く感じる時期になると、栗や柿のシーズン到来です。先日私の故郷である瀬戸内の島から、藤沢に住んでいる母のもとに西条柿が送られてきました。
西条柿は細長い渋柿で、主に中国地方で昔から栽培されていて、戦国時代には干し柿が武士の携行食糧として使われていたようです。
送られてきた柿は、私が子供のころ住んでいた我が家の庭の主木で、今では樹齢100年近い古木ですが、秋になると相変わらず沢山の実を付けてくれます。

 


送り主からは、電話で「渋抜き用が良いか、それとも干し柿用が良いか」と問い合わせてきたので、「いっそのこと干し柿にして送ってほしい」と言ったら「最近は気候が温暖になりすぎて、田舎では干し柿を作れなくなった」ということでした。
子供のころ、この時期にはあちこちの軒先に吊るされた干し柿が見慣れた風景だったので、温暖化もこんな形で風景まで変えてしまうのかと少し寂しくなりました。

 

 

▼T字型の枝を縄に差し込む

T字型の枝を縄に差し込む.JPG

母がそれでは干し柿用を送ってくれるようにと頼んだら段ボール箱ひと箱送ってきました。
母も柿の皮をむいて軒下に吊るし、ご近所にもお裾分けしたりして、残りを私のところにも分けてくれたので、さっそくこちらも干し柿づくりです。干し柿を作ったことのなかった妻は「干し柿用」に柿を収穫することの意味が分からなかったようですが、干し柿用の柿は付け根の枝をT字型に残すので少し手間のかかる収穫作業になります。
昔は藁縄の撚り目にこのT字型の枝を差し込みこの縄を軒先に張って吊るす方法で干し柿を作ったものです。手元に藁縄がないので少し無粋ですが、ポリ縄を使って軒下に吊るします。

 

 

▼軒下の吊るし柿

軒下の吊るし柿.JPG

 

一連の作業をやって感じたのですが、手仕事で少し手間をかけて手作りにすることで、新しい価値が生まれてくるような仕事も、障がい者に適した仕事といえるのではないでしょうか?

 

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