あけまして おめでとう ございます。
グループホームのスタッフの皆さんと話し合う時間が持てた。日中だったが当直明けや勤務時間外の人も集まって1人の利用者について考えた。多くの利用者は自分を表現することが苦手で"どうしてだろう...""どうなってるの?""..."と思う。1人ではどうにも判らないが集まって一緒に考えてみる。いわゆる「ケースカンファレンス」。ケースは利用者、カンファレンスは"カンファ"などとも言うが"会議・協議"の意味。つまり「1人の利用者について協議する時間」。会議は決め事を作るイメージだが、決め事を作ると考えるのではなく、1人の利用者への理解を深めるために協議する時間と考えると判りやすい。
Aさんはいろいろ困った行動がある...。それをどうにかしないと本人も苦しくなっているから、打開策を講じなければ...。でもどうしても本人の意思が判らない...。支援者それぞれに違う考え方があるので一致した対応はしにくい...。その時々で対応が異なってしまう...。このような悩みが支援中に起きる。そんな時ケースカンファを行う。難しく考えずに意見を出し、考え方や感じ方を伝え合い共通点を見出す。支援する時は支援者の個性や利用者との相性があるので、完全に一致した行動は難しいが、ニュアンスが判ると利用者が安心できる幅で支援出来るようになる。だから支援の質を高める。Aさんの今だけでなくこれまで育ってきた様子などから行動の特徴を考える。好きなことや嫌いなことを並べるとAさんの本心が見えて来ることがある。出来ること出来ないことを考え直すと障害ゆえの特徴を見直せる。チームで行う仕事だからチームで考えると判りやすい。なかなか時間がないからできないが、ちょっとの時間で"ミニカンファ"を積み重ねることが大切。
グループホームは成人した利用者の話しだが、幼児の場合には焦点が少し違ってくる。幼児は発達の可能性を生かすように、今の現象にとらわれず全体像を一層確認したい。発達が全体バランス良く現れれば良いがそうとは限らない。知的発達や社会性など全体像を見ると、運動機能は優れているが人間関係が不十分だ...と理解できる。このように発達にばらつきがある時には原因を確かめたい。社会福祉領域では、それを環境の中でどのように出現したか確かめることが多い。発達レベルは臨床心理士等の診断を参考にして、社会的環境との整合性の中で原因を探る。"現象よりも原因"を確かめ、子どもとの関わり方を検討する。だが、理解したからすぐに出来る訳ではない。子どもの療育は親の理解と繋がらなければ実態が伴わない。TEACCHが"親を療育のパートナーに!"と言う所以である。
このように考えると年齢や育ってきた環境、現実に課題となる行動、与えられた条件、いろいろなことが絡まって直接援助が行われていると判る。社会福祉従事者は誰もが一生懸命...、利用者さんのために...、頑張っている...。そう、みんなひっし必死。ところが仕事は1人では出来ない...、皆の考えが一致しない...。だから一層苦しくなり、何とかしたいと思い、いつも迷う。少し、肩の力を抜こう、他の角度から眺めてみよう、他の専門性を使ってやろう...と思う。みんなで考えると気持ちを共有出来ることがある。すべて一致しなくても少しでも理解し合える...。利用者が安心できる幅を造ることが仲間作りに繋がって欲しい。少し楽になると新しい出会いが待っている。今年はそんなことに挑戦しよう。(2016.1)
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