社会福祉法人の智恵とは?

昨年12月民間コンサルタント会社が全国約1700の自治体を対象に「地域元気調査」を実施した結果、藤沢が日本一に輝いた。"他地域から観光・レジャーで集まる""若い人の姿を見かける""自然が豊か""生活環境で困ることが少ない""買い物がしやすい""越してくる人が多い"などが理由。一昨年の地元調査に基づく女性誌では"主婦が幸せに暮せる街"のランキング1位にも輝いた。"湘南"のイメージ、温暖な気候、都心より緩やかに流れる時間、都心へのアクセスの良さなど快適が実感できる。しかし、かつて別荘地として発展した海沿いは高齢化の波が見られる。市北部でもライフタウンを初め1970年代前後から定住した人々が高齢化。また、藤沢北部から大和、横浜泉区周辺は外国人の流入人口が多い街。大企業や下請け、孫請けの工場群に労働力を吸収する力がある。当然、働く人々の暮らしが周辺に広がる。近くの大型店舗を歩くと外国語の会話をよく耳にする。このような街になるには、ベトナム戦争当時、難民定住センターが大和市南林間にあったことや公営団地が点在し住居を求めやすかったことも要因のようだ。そこでは文化の交流、融合とともに格差問題も目に入る。格差社会の代表的問題として社会的注目を集めるのが"子どもの貧困"。6人に1人の子どもが貧困であるという報道は、衝撃的なニュースであるが実感が伴わないまま社会を独り歩きしている。その背景にひとり親家庭の貧困が問題視され、"勉強をサポートする会"や"子ども食堂"などの活動が活発化している。

 一方、社会福祉法改正の動きは、財務や役員のあり方と共に財源を持たない社会貢献事業が求められ、県社会福祉協議会のCCS(コミュニティ・ソーシャルワーカー)事業がある。制度の狭間や地域の困り感がCCSのテーマだが、役割の明確化や地域、行政との連携などから十分機能しているとは言い難い。しかし、施設福祉の時代から地域福祉の時代に変化し始めている今日的課題として考えれば、今後一層の活躍が求められる。そこで藤沢市を拠点として、障害者の地域生活を一層充実させようと考えている(福)藤沢育成会は、地域にインクルーシブな文化を創造することが利用者さんの生活のリスクを少なくする方法だと考えるべきだろう。そのためにはCCS活動だけでなく、街の文化を生み出すエネルギーを作り出したい。障害者のケアを求めるのではなく、地域の一員として共働する姿が本来の"地域貢献"と考えたい。地域の一員となり地域の労働力となって町おこしに一役買った例は、北海道の片田舎・浦河べてるの家。今、精神科入院患者は0となり、地域に住み、地域で働き、地域で暮している。これまでにない工夫が具現化した結果である。かつて法人となる前に活動した「星の村共同作業所」は法定外事業だった。親たちの活動が県や国を動かし、法制度化された。制度のないところで事業化すると財源確保が難しい。しかし制度がなければ何もできないのではなく、制度を創る素材を生み出してこそ民間社会福祉法人の社会貢献だと考えたい。財源に限りがあってもアイディアや時代の読み、地域社会との融合など様々な工夫でニーズに応えるのが社会福祉法人の"智恵"。「好感度日本一の街=藤沢」なら、その街に障害者に限らず多様なマイノリティーも加わった文化を創造することが大切なのではないか。年度の終わりにこれからの(福)藤沢育成会を夢見た。(2016.3

3月分写真.JPG

 

ページトップへ