おさ'んぽ②
 藤沢本町駅から白幡神社をぬけてみその台の坂を上ると児童養護施設と乳児院があるのでそこをめざして歩きはじめると、手前に「湘南長寿園」の大きな看板が目に入り向った。昭和43年設立の老人ホーム。良く見たはずだが「特別養護老人ホーム」の文字は見られなかった。"老人ホーム"とは4種類。特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、そして有料老人ホーム。看板には、全室個室、株式会社設立、運営。なるほど、有料老人ホームだなと理解した。隣接する「湘南長寿園病院」には介護保険病床60、医療保険病床120床とホームページに案内されていた。周囲をぐるりと回ってみたら病院近くに保育園。職員のための院内保育所だと理解した。  元の道に戻って、坂を上ると聖園の正門。これまで何度も訪れた「聖園子供の家」と「聖園ベビーホーム」がある。左に行くと聖園女学院、右に行くと社会的養護児童の児童福祉施設。子どもの時代から背負う暮らしの違いが現実を見せつけているようだ。思い出深いのは黒人とのハーフの遺棄児。出産、間もない赤ん坊が保護された。新米児童福祉司の出番となり保護された病院へ向かった。健康状態等を確認し、1週間後の退院に備えて乳児院の入所準備。園長に依頼して承諾を得たのが「聖園ベビーホーム」。シスターの園長から当日の聖人の名前を付けてほしいと依頼された。なんと苗字は担当者の姓でどうか...と。遺棄児の場合、発生地の首長が命名することになっているが、役所の担当者と相談する場面があることを承知している故の話しだ。赤ん坊は右側に向うことはまずないだろうと...格差社会を想う。中に入ろうと思っていたが、"関係者以外立ち入り禁止"の立札が妙に気になった。これまでは全く気にしていなかったが、退職した今は関係者ではないと思い入るのをはばかった。  坂の途中、おもしろい看板を見た。老人専門宅配弁当屋さん。かつては老人ホームが配食サービスを行っていたが、今は業者が行なっているようだ。コストカットに成功しなければやっていけないだろう...と思った。県の教育センターをぬけて体育センターを過ぎると急な階段の下に善行駅。体育センターは毎年障害者スポーツ大会がある場。利用者と一緒に入場行進もした。係員として愛護時代の大会に前日から走り回った。大会運営を担う役割も行った。現在のスポーツ大会にするために奔走もした。懐かしさがこみ上げる場であった。(2016.5②)
▼聖園ベビーホーム 1.jpg
▼湘南長寿園の院内保育所
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▼聖園の案内板 3.jpg
▼老人専門宅配弁当屋さん
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