善行駅を降りると、駅を挟んで2か所の児童デイサービス事業が展開されている。いずれも徒歩2~3分の近さにある。子どもたちが来る時に行きたいと思っていたので、先に小学生から利用している「カラフル」に向かった。少し早かったようで学校にお迎えに行っている様子。こんな駅近くなので、他の社会福祉関係事業所はないだろうと周辺を眺めると、カラフルの奥に(株)インユー(障がい者支援事業所)とあった。同じような時間からスタートしたが、こちらは精神障害者支援の場。さらに少し下った四つ角には高齢者の事業所。デイサービス、居宅介護、ホームヘルプの看板が窓に張ってあった。精神の事業所とはずいぶん違うなと思った。ここも株式会社立。社会福祉事業が多様化している実態が判る。
車が戻って事業開始。慣れているとはいえ、斜面にある玄関にぴたりと横付けした運転に妙に感心。おしゃべり好きな子に誘われて事業所内へ。子どもたちは家に帰って来たような雰囲気で好みの場所、おもちゃに向う。外(学校)で頑張った後は自分の"居場所"でのんびりしたいと思うのは誰もが持つ感情。"1日のノーマルなリズム"はニィリエの「ノーマライゼーション8原理」の一番目にある。1日が"緊張と弛緩"を繰り返しながらリズムを作っていると考えれば、児童デイは学校帰りの弛緩の時間。弛緩の時間を体感する"居場所"作りを大切にした仕事だと理解した。
駅の反対側にある"プリズム"までは坂道を上りビルの2階。入ると細い廊下。いくつもの衝立の中の集合場所に高校生と思われる年齢の子どもたちが集合していた。自傷行為やこだわりが強そうな人を見て自閉傾向がある人が中心と理解した。構造化されたスペースでパターン化した動き、ビジュアル化された情報伝達は、おなじみのTECCHプログラムの実践と判る。でもこれを家庭で行うにはスペースだけでなく相当無理があるな...と思った。年齢の高い人たちは、学校帰りでも頑張れ...か...。年齢や障害によって異なった対応をしていると考えたが、ニードは時代と共に変化する、応じられなければ立ちいかない。
帰り道、親たちは何を求めているのか...。世間一般では母親も就労している時。障害児の親だから就労出来ない理由はあるまい。子どもたちは何を求めているのか...。兄弟姉妹がいたら違う場の学童保育に行っているのか...。カラフルに単独で通所している子が1人いた。汗をかき紅潮した顔で"1人で来た..."という表情に充足感が漂って見えた。学童保育とは違うが、学童保育が求められている社会的ニーズと何が違う...と考えると複雑な気分になった。ニードを捉えることは原点。その原点の複雑多様な姿を見た。(2016.8-②)
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