おさ'んぽ⑧

 湘南台駅東口は、だいちやゆうき村に向かうバスの始発駅だが、今回は長後に向う。長後街道は交通量がとても多い。排気ガスを吸いながら歩くのも嫌だし、周辺は飲食店が多く、どう考えても社会福祉関係の事業所があるようには思えないので脇道を歩いた。湘南台文化センターに子ども連れが多かったのは、子ども向けのイベントがあったようだった。

文化センターを出てすぐ目についたのが「ちょこっと湘南台」。普通の店舗のようだが、看板に"地域福祉交流事業"と書かれた場所は、藤沢市委託事業の"縁側事業"。残念ながら活動している様子はなく、寄ってみることは出来なかった。今度ちょこっと寄ってみようかな...。縁側事業は既に20か所前後運営されているようだが、地域に定着した様子をあまり聞かない。この事業の難しさを著わしている。その要因は、地域のニードにあっていないのか、活動時間等の条件が合わないのか、その他の理由があるのか判らない。同事業でお世話になっているグッドイーティング社の社長さんと話した時、他事業とのリンク、市広報誌等の広報活動、ニード把握、事業展開など商業ベースの視点を伺ったことを思い出した。何を実施するにしても、自分がやりたいことが事業としてフィットしているかどうか検証しなければ出来ない...と改めて考えさせられた。場所や資金等の制約の中で工夫しなければ結果は創れない。そして、プロたる者、結果を作ってこそプロと言える...と強く感じた。IT長者と言われる若手社長が"ひらめきでは実行しない、何事にも根拠がある"とテレビで話していたことを思い出した。

とにかく長後まで行こうと歩いたが、どう見ても閑静な住宅街に社会福祉関係事業所の匂いを感じない。穏やかな住宅街には、きれいに整備された歩行者専用道、遊具などは極力少なくし自由に遊べる小公園が地域に溶け込む。このような地域でも必要なのが保育園、学童クラブ。子どもが集う空気を感じた場所は学童クラブ。新しく立派な建物は公立保育園。いずこも必要性の第一は子どもの施設。しかし、制度化が進み社会問題となっている保育所と、制度化が不十分な学童クラブの"差"を感じた。数年前、学童クラブの職員研修を受託した時、資格、給与、設立の条件など課題が多い事業の難しさを感じたことを思い出した。

あとは長後駅までまっしぐら。途中で高齢者用の事業所等を発見。いよいよ高齢化率が高い地域に向っている様子。長後と高座渋谷はかつて同じ村だったそうだが、市制が布かれる時に藤沢市と大和市に分かれたと聞いた。かつての高座郡のようだ。今も繋がりがあるのだろうか...。(2016.11-②)

 

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