おさ'んぽ⑨

 長後駅を降りるが、大和市に入ってすぐの「特別養護老人ホーム敬愛寮」以外に知っている事業所がないので駅構内の地図を見ると、徒歩10数分に「長後老人憩いの家」。高齢者ではなく"老人"とあることで判るように昭和38年老人福祉法施行時からの施設種別。藤沢市広報には「地域におけるふれあいの場として、また教養の向上やレクレーションの場として、高齢者の心身の健康の増進を図ることを目的とした施設です。」と。高齢者が社会活動を行う施設が少ない時代に必要だった場。"え!まだあるの?"と思う一方、活動しているのなら見たいと思い向かった。近くに神社があるようなので目標にして向うがひとまわりしてもない。"なんだ、やっぱりなくなったんだ...""でも、地図にはあったのに..."。発見出来ないまま通過した。帰宅後ネットで確認するとやっぱりある。市広報の写真を見ると生活感がなく空き家だと思って通り過ぎた場だった。活動拠点としての必要性が薄らいだ実態が見えた。時代と共に変化し、事業や施設の役割が変ったことを実感する。ニーズをしっかり分析しないと...と思う。それだけに、せっかくあるのならリニューアルすれば...。地元に新たな活動を提案したら...。

 

 長後老人憩いの家にたどり着けないまま住宅地を歩き続けると、藤沢市長後が右側、左側は大和市福田の市境を歩く。大和市側に「敬愛寮」。昭和25年日本最初の有料老人ホームとして生江孝之氏が日本基督教団を母体に設立し、昭和29年に社会福祉法人立となり今日に至るとホームページにあった。初代理事長生江孝之氏は草創期の社会福祉事業を支えた1人で、たとえば『社会事業綱領』という日本で最初の専門概論書を著わしたなどの業績があり、社会福祉事業史に残る研究者、教育者、実践家。たたずまいからはそのような歴史は感じられないが、実績ある施設のひとつ。今は地域へのアプローチも積極的に行っている様子が伺えた。

 

 地域に老人施設が多いと感じるのは、駅に向かう途中にもグループホームがあるから。駅近くで食事した時の隣席の家族を思い出した。入所施設を訪れ外食となったようで、妻であるおばあちゃんの気遣う言葉と、食べやすいように世話する娘の姿。今はこれが家族の姿...と思った。会話からグループホーム利用者ではなく、有料の利用者と判った。高座渋谷駅の両側に有料老人ホームがある。高齢者福祉施設は特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム(A・B・ケアハウス)があるが、介護保険制度では療養型、老健、介護型(=特養)。それ以外に有料老人ホーム。更には介護付き住宅、老人マンション等。高齢福祉を見ると社会福祉は"善意"ではなく"サービス"だと実感する。(2016.12-②)

 

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