以前は大船から向かうことが多かったが、この一年は確実に藤沢駅からの通勤路となった法人本部・湘南あおぞらまで。9時過ぎに歩くと多くの事業所の送迎車が走っている。なじみの社会福祉法人もあるが、NPOや1法人1事業所もあり判らないものもある。これだけの事業所が展開する藤沢市だから当事者ニーズに合わなければ事業所の稼働率は当然低くなる。ホテル業界等では90%以上の稼働率がなければ危ういと聞いたことがあるが、福祉サービスも措置時代のように安閑としていれば取り残される...と実感。
駅を過ぎ、市役所の反対側に折れると"ユース・ハローワーク"。若者の職業安定所の存在が不思議。労働力不足が叫ばれているにも関わらず仕事のない若者がいる。実態は事実と事実が矛盾している。ミスマッチとだけ言っている訳にはいかない現実がある。
次は「藤沢市みらい創造財団」の青少年会館。掲示板を見ると楽しげな姿で映っているのは少年≒小学生高学年程度の顔がずらり。かつて青少年会館は集団就職等で働き始めた若者を孤立させない活動が主流だったが、今は共働き家庭が増え学童保育終了後の年代が中核なのか。財団はスポーツ大会会場などの指定管理も受けており当法人との関係もある。
さらに進むと雑居ビルが興味深い。1階は居酒屋とスナック。2階には神奈川県母子寡婦福祉連絡協議会、県母子家庭等就業・自立支援センター。他に土地家屋調査士事務所。3階には「耳から聞く図書館」と団体事務所。まさに雑居。他業種が共存する姿は街中ゆえだろうが、社会福祉領域の地域進出を感じた。
高架下を過ぎて小塚バス停の前に「村岡地域包括支援センター」。多問題家族の相談は、地域包括との協働が欠かせないから地域との関係が必要。繋がりを持ちたいものだ。そして「ぱる」。児童、ガイヘル、GHは、地域生活の最先端。地域の動向、当事者ニーズに敏感な事業所であってほしい。一方で入所機能の「湘南あおぞら」。時代の変化に伴い何を求められているのか、何を大切にすべきなのか...。"個を尊重"する仕事は、その人個人を見るだけでは判らない。社会福祉は目と足を使って"見る"、社会から個を"観る"、その人がどんな状態かを"視る"、だから何を、又は何から支援するかを"診る"。そこで初めてケア="看る"ができる仕事だと考えている。だから地域社会を歩いて何かを感じ、利用者と関わって何かを感じる。教科書だけでは判らない何かを探す必要がある。(2017.3-②)
事業所訪問のお散歩は今回で終了します。4月からは新シリーズを考えています。
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