新年度を迎えて

元旦を迎える新年とは異なるが4月に新たな年(度)を迎える。当法人も4月に人事異動があり、会計年度も区切りを迎える。1日変わるだけで何が違うかといえば、日常業務は変わらない。変わるのは職員配置等によるチーム構成。障害福祉サービスは日常のあたり前を支援することだから、年度ごとに内容が替われば利用者が迷惑する。だから、人事異動による変化にも充足できない何かを感じたご家族からご意見をいただく。また、職員からもせっかく培ったノウハウを失うような話を聞くこともある。職員について考えれば障害福祉サービスという起点は変わらないのだからこれまで培ったノウハウは消えるはずがない。消えるのは利用者との関係性である。阿吽の呼吸で出来たことが出来なくなる場合があるので窮屈に思うだろうが、それは職員側が理解不十分だった利用者に新たに接する細心の注意を喚起する。これまで職員が気づかなかった利用者との関係性を培うチャンスにもなる。ご家族は安定、安寧を望むことから変わる弊害を気にされるのは分かるが、利用者と職員がずっと一緒に居ることは出来ないから、必要なタイミングで別れと出会いを繰り返さないと、それらに応じるチャンスを失う環境を作り出してしまう。対人援助職の難しさだがそれぞれの角度から見る必要性をご理解いただきたい。

今年度は新しい事業が始まるわけではないが、社会福祉法の改正によって法人運営等の変革期となった。事業展開が変らなくても法人全体、事業所ごとに更なる1年の計画を始動させる。事業は必ず利用者ニードが反映していなければならないので、年度替わりに新鮮味を失っているようではサービス展開が先細りするだろう。新たなサービス展開だけが前に進んでいるわけではなく、これまでの手法と利用者の動向を熟知して更なる充実を図らなければならない。これをどう行うかが1人ひとりの職員、それぞれの事業、事業所、そして法人の「実力」だと考える。「実力」は三つの力が重い。一つに「実"務"力」。業務を行う誠実性、確実性、効率性等が大切。現場では"実務能力"がサービスを展開する。次に「実"践"力」。実務力を支えるのは、その場でその時に応じられる力。"臨床力"とも言えよう。最後は「実"行"力」。美しく話すだけではサービスの質は向上しない。理想をかざしあるべき姿を話しても財政等で立ちいかなければ大変なご迷惑をおかけする。つまりサービスは"結果で勝負"しなければ、"絵に描いた餅"。だから結果が伴うように"行える力"は欠かせない。今年度もよろしくお願いします。(2017.4

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