計画を作ったらその通りに出来るかと云えばそうではない。計画通りに出来るか検証が必要。計画を実施する財源の裏付けも必要。大災害や大事件など自然・社会現象にも影響を受ける。社会福祉は常に社会の課題と相関関係の中で動いている。そのため社会現象等を踏まえ実施する力が必要になる。「かながわ子ども未来計画」策定後の仕事は「地域企画課」。注目の"地域"と"企画"。出来たての所属は児童相談と障害福祉業務の混合。
神奈川方式と言われた"子どもの権利擁護事業"を具現化する準備に取り組んだ。児相機能に付加し児相強化を考えたが、未知ゆえに課題が多く、もたもたするうちに転勤。後任に託した。転勤後、社会問題になった"鎌保"の施設内虐待。後任の奮闘で考えていた機能が力を発揮、神奈川方式を不動にした。仕事は、よき上司、よき友、よき後輩と共に成就すると実感した。
障害福祉業務では手帳発行のパソコン化。全国初の仕事。今や業務に欠かせないPCに写真を取り込むシステムは波乱の幕開けだった。予定通り発行できないと利用者に迷惑がかかるから必死に頑張ったが、システムの問題は解決できない。SE経験のある職員から受ける説明も理解できない。それでもやり遂げる...。出来る...と言われて納品されたが出来ない...。力量の問題かもしれないが、出来ると言った会社に出来ないことを伝え、必死に修正、調整した。何とか手帳を発行した後も少しずつ調整し1年以上続いた。初仕事は周到な準備をしても、それでも疑わなければならない...それが仕事だ。仕事上の約束は、どんなことがあっても果たさなければならない...それが仕事だ。そんな厳しさは、ポスト・役割が変わるごとに強く重苦しくなった。若い人に"時間を守れ!"と手厳しく言うのはこんな経験があるからだろう。今も約束の日時に出来ていない仕事は"腐っている!"と思っている。一生懸命だからと言って許される訳がなく、約束までに出来ない時は、賞味期限切れの商品を届けているのと同じだと思っている。この頃から、チームを纏める仕事が主流になった。また企画調整し、実行するのが仕事になった。どんなに良い企画でも、実行できなければ"絵に描いた餅"と理解した。どんな仕事も同じだろうが、社会福祉領域は特に"ヒト"が結果を創る。質の高い人との仕事は"企画"が活きるが、モチベーションが低く質が課題のチームでは"企画倒れ"になる。人材育成とは、学力や豊富な知識ではなく、仕事に向かうモチベーションが高い職員、感性のある職員を養成しチームを作ることだと考えた。だからサッカーや野球の役割を相互に生かしあうチーム力を意識した。時代は虐待問題に対応するため社会福祉の根幹に"人権擁護"が強く意識され、措置を必要とするサービスと選択できる契約によるサービスの両極が動き始めていた。(2017.11-②)
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