「法人設立30周年、活動を始めて半世紀!」

 平成304月。今年度は法人設立30周年を迎える。平成元年に社会福祉法人認可を受けたことになる。社会福祉法人藤沢育成会は、これより10年前に制度外で「星の村作業所」をスタートさせた。当時から働いている人は少なくなったが、今も数人の職員が働いている。それより10年程前、この土台を作ろうと立ち上がっていた。後援会いずみ会長の西條節子さんは、当時から活動の中核を担っていただいた。同時に知的障害児の親が動き出し、これが知的障害児者の家族が作った全国組織「手をつなぐ育成会」藤沢支部の活動となった。それが法人名(福)藤沢育成会の由来である。だから、社会福祉法人藤沢育成会は「法人設立30周年、活動を始めて半世紀!」となる。

 半世紀前、"インクルージョン藤沢"を掲げるのはとても勇気が必要だったろうが、地域で暮らそうという本人、家族の願いだったから当然だった。これが根幹なので事業所が市内全域に点在していった。何故なら、地域で暮らすためにはより近くに事業所がある方が効果的だから。実は一か所に固まったほうが運営や経営面から考えれば合理的だ。だが、あえてそれをしなかったことが現在のサービス展開につながっている。

 50年前を知る人は少ないだろうが、施設入所しなければサービスが受けられない時代だった。当時は職員が洗濯や掃除をするのは当り前だったが、今日の施設では洗濯は専任職員、食事は委託業者が作る。入所施設だけでなくハウスキーパーが清掃し、送迎バスも一部委託業者が行う。現代は"家族機能の外注化"に拍車がかかっているというが、福祉サービス事業所も同様だ。こうして見ると時代と共に変化したことが顕著に判る。また、働き方も大きく変化し非常勤化率が高くなった。女性の就労先と考えれば、家族状況等で労働時間に配慮が必要な現実が影響していると判る。

だから"支援"のプロとしての資質だけで障害福祉サービスができる環境ではない。常勤職員も、非常勤職員もそれぞれの役割を承知して、相手に配慮した業務推進を図らなければ、職場の雰囲気が落ち着かない。元々、社会福祉事業は1人で出来上がる仕事はほとんどない。また、"やればやるだけ、やらなければそれまで"の仕事が多く、どこまでが必要十分条件か判りにくい業務特性がある。だから、お互いを知り、お互いをつなぎ合わせ、お互いを支えあうことがどうしても必要な職場。常勤...とか、非常勤...ではなく、相互理解、相互支援が必要。"ケアは相互性"と言われるが、職員間も"相互性"が肝要である。多様な人たちがそれぞれの個性を発揮してこその職場であると意識したい。そこで記念事業も、利用者や家族が自由に参加できる「いんくるサマーフェス(825)」と、家族、市民や関係者を巻き込んだ「記念講演会(106)」と、お世話になった方々への感謝の「式典(1120)」と参加者を考えた3部作とした。この中で法人の未来=この先30年を語り合えるようにしたい。(2018.4

 

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