かわいい子には旅をさせろ。大人になっても旅をしよう。(よし介工芸館・梅田久仁夫)
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▲指で苔をむしっていたら、お茶の先生だった叔母にしかられた思い出。

 

 そろそろ旅に出たくなった。旅と言っても一週間から十日間ほどの小旅行。随分前までは、一年に一度ぐらいの楽しみだったが今はさっぱり。最後のそれは、もう何年ぐらい前だったか。旅は何故するのだろう?旺盛な好奇心に駆られて。旅情に浸りながら新しい出会いも求めて。それとも自分探し、思い出づくり?どれも当たっている。・・・が、自分の家や住み慣れた場所にじっと長く居続けると変化の無い日常に煮詰まった息苦しさを覚え、新鮮な発想や創作などの閃きが乏しくなってくるからだ。旅する事で解放感と爽快感を満喫できる。そして、眠っていた想像力が目覚め、マンネリ化した思考習慣も変わって新しい価値体系を創出する。三十年前、初めて海外旅行をした時にそれを体感し、以来自分は変わった。旅は日常の繰り返しで錆びついてしまった思考回路をリフレッシュし、心身共に再生できるという快感がある。旅はくせになるとはこのことだ。道中、身も心も軽くなり、体調もすこぶる良好となるので、たぶん大量のβ-エンドルフィンという神経伝達物質が脳内に分泌されているのだろう。だが、最近この感覚がご無沙汰となっていて脳が石灰化している感じがする。   

旅の魅力は観光地でなくとも、初めての町を歩いているだけでも小さな発見があって面白い。同じ日本でも、先々で商店や民家が居並ぶ通りや町全体の佇まいに地方色を感じ、住む人々の人情に触れる想いがする。歴女なる輩が名所旧跡を訪れるのは、歴史に登場する人物に深く関心を抱き、同じ心境になりたい乙女心と言ったところか。そして、その場に立ってその頃の空気を肌で感じ、強くイメージしながら歴史探訪することが目的なのだ。

自分はこまめなカメラ小僧だから、行った先々でピンときたものや惹かれるもの、美しい風景などをできるだけ多く撮っておく。これがまた旅の醍醐味。帰ってからも余韻を楽しみたいし、茶の間で北海道や九州旅行の再現ができる。同じところに二度も三度も行けないかもしれないので思い出に残るいい写真を撮ることを念頭に置いている。

 旅の話をし始めたら切りがない。とっておきの話やエピソードは山とあるし、見てもらいたい写真も沢山あるのだが、締切が迫っている別の原稿を書かなければならないのでまたの機会としよう。

 

▼ちょっと急いでいたから、家でゆっくり読んでみようと思って撮った。  (・・・・豆腐になりたい。)

 

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