随分昔の話だが、ナポレオンヒルと言うアメリカ人が書いた"成功哲学"なる本に目を通したことがあった。日本人なのにアメリカンドリームに被れた友人から貸してもらい"思考は現実化する"というものだ。だが、この頃の自分は将来の目標設定が希薄で曖昧だった。志もない者が成功哲学もあったものじゃないからほんとにボンヤリと夢を見ていたのだろう。
成功哲学なるもの、人間が自己実現するための心がけであり、要約すると三つの原則がある。1.しっかりと目標を明確化する 2.仕事を人の倍する習慣を持つこと 3.初志貫徹するという信念をもつこと。特別な才能や特別のことをすることではないと!?・・・・何だ。かなりの本気モードじゃないか。それができれば苦労はない。偉大な人たちは、そんなこと言われなくとも最初っから意志の強さと、精神力でやり遂げている。
マーフィーの法則に至っては、人生の黄金率なるものは、想念の力を信じて潜在意識を活用せよと言う。なんのこっちゃ。何が自分の中に潜んでいるのか骨頂なのかも分からん。地団駄ふんで想いを込めたり、目をつぶって集中していたかと思うといつの間にか自分の"あるべき姿"が散逸してしまって、気が付くと頭の中で"カワハギ"が泳いでいる。成功哲学を安直なマニュアル程度に考えていた自分は、根底に甘さもあれば、考え方も間違えだらけだったというわけだ。しかし、我ら庶民、大なり小なりのサクセスストーリー、ちょっとした心がけ次第で誰もが可能とする道があるのでは?
歴史街道という月刊誌をよく読むが、史実に登場する人物が成功するか失敗するかの分かれ道をどう捉え判断したのか、心中を察するに関心を寄せる事が多く述べられている。そして、趨勢と結果に大きく影響を及ぼしている共通点は、対人関係において強い味方をどれだけ引き付けたか、あるいは難敵をいかに無くしたかだ。
例えば、日本人は誰でも知っている戦国期の豊臣秀吉と明智光秀。彼らの明暗を分けた理由の一つもそうだ。人たらしと言われた秀吉は天性であるコミュニケ―ション能力に長けていたため、気難しい信長に信頼され蜜月の関係となる。一方、ライバルの光秀は、知力、実力、品格も抜群であったにもかかわらず、それが仇となって信長の欠点ばかりが目につく。やがて、信長にとっても光秀が鼻に突く存在となり、互いに好感度ゼロ(全くかわいくないのだ)。関係性の修復はもはや不可能となり謀反という最悪の結末となる。また、関ケ原の合戦で徳川家康に敗れた石田三成も能吏だったが不器用で堅物。義を重んじて戦に臨んだものの多くの人心を読めず、調略に失敗して豊臣恩顧の武将から猛烈な反発を受け裏切られる。そして、それとは対照的な人生を歩み、手を尽くしてきた家康はその後大願成就する。
さて、大成する王道は今日に至っても同じだ。所詮この世は人間社会。独力では限界がある。個性と魅力に加え、どれだけ自分の周りにいる縁深き人々との関係性を良好なものとするかによって道が大きく分かれる。理解され、能力を引き出してもらい、「毎度、御ひいきに」となれば相応の成功はするものだ。
▼成功率99% 肝は湯通ししてからすり潰し、酒で味を調える。
それを刺身につけて頂く。 フグとまではいかないが美味!
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